『いわさきちひろ 〜27歳の旅立ち〜』ドキュメンタリー映画クリスティ読破40『杉の柩』

2022年11月24日

クリスティ読破39『黄色いアイリス』

はい、おはようございます。          雪華ホーム


20221108病院からの景色


1939年アガサ39作目の刊行は『黄色いアイリス』。49歳。

1980年(底本は1939年)早川書房より刊行されたもので、ポアロもの5編、マープル1編、
パーカー・パイン2編、残り一作は幻想小説からなる、計9編でございます。
アガサの短編ものの面白さは、長編のための忘備録かなと思っていますので、
既に結構な冊数を読んでいる人がこれを読むと、なるほど、とか、ははん、などとほくそ笑む
楽しみがあります。ですから、初めての方にこれだけをオススメするものではありません。

短編のこのアイデアが、後のあれになるのか! というのが知れます。
ですから、アガサの醍醐味はやはり長編だと信じて疑いません。
アガサ・クリスティーの名を冠していれば、売れることが間違いなしと考える出版社が
世界中で原稿を漁って短編を編集するのでしょう。
ただ、ご本人は後述する自身が選ぶベスト10の中に、
たったひとつ短編集である『火曜クラブ』を入れてらっしゃいます。
毎火曜日に集うクラブの偉い面々ではなくて、執事が犯人を言い当てるという趣向は、
その後も他の作家によって踏襲される、一つのジャンルを作ったとも言えます。
短編の妙というよりも、アイデアの勝利だったかなと思えます。

それでも、いくつか見てみましょう。表題作の『黄色いアイリス』です。
日本では、キショウブと呼ぶことが多いですが、花菖蒲の仲間ではなく、
ヨーロッパ原産のアイリスの仲間なのだそうです。ジャーマンアイリスにも黄色のものがあり、
花言葉が、なぜか「復讐」。
六年後に、『忘られぬ死』として長編化されます。

『二度目のゴング』は、中編『死人の鏡』となり、長編『鏡は横にひび割れて』へと発展した
と思われます。焦点は、トリックだとかの問題ではなくなります。昇華と言っていいのでは
ないかと思えるほどアガサはどんどん進化を遂げます。

好きな作品は、『あなたの庭はどんな庭?』ですかね。
ミス・レモンの描写と登場シーンがこんなに描かれていたのかと、嬉しかったです。
お得意のマザーグースから Mistress Mary,quite contrary, How dose your garden grow?
のインスピレーションで、生活に根差した見事なトリックだったです。
スーシェ版のBBCドラマ版では、
キーとなる人物がこれまた意外な人物〜! という改変まで加えてあって、
ちょっとやりすぎかなとも思えますが、ロマンチックになっていましたね。
あれはあれで、良かったかもしれません。
アガサの別の小説にも、この職業があって、コンパニオンだったでしょうか、
損得関係の無い友人ではなくて、あくまで職業として連れ添っている女性というのが
出てくるんです。
お金持ちのたいてい女性(高齢だったり若い場合もあるようですが)に雇われて、
旅行などにも伴われるようです。

まだまだ、アガサ執筆の半分以下でございますが、
よく巷で、1930年代が彼女の黄金期であるかのように言われます。
私はアガサに限っては、そんなもんじゃない、
晩年ですら、大作が目白押しであることを保証いたします。
アガサ本人が自伝で述べたベスト10作(順不動)を挙げておきますね。
「そして誰もいなくなった」38作目
「アクロイド殺し」7作目
「ゼロ時間へ」47作目
「ねじれた家」57作目
「オリエント急行の殺人」22作目
「終わりなき夜に生まれつく」89作目
「火曜クラブ」19作目
「予告殺人」58作目
「無実はさいなむ」75作目
「動く指」46作目

私としましては、上記にプラスして次回作の『杉の柩』。と『五匹の子豚』『ナイルに死す』
『カーテン』『鏡は横にひび割れて』の五作……。
うーん、まだまだ入れたいものだらけでございます。全部オススメだ。

アガサ・クリスティー ブラボー!!




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『いわさきちひろ 〜27歳の旅立ち〜』ドキュメンタリー映画クリスティ読破40『杉の柩』