白いユリ草が生い茂り

2014年08月25日

痛快『グランド・イリュージョン』

はい、こんにちは。          雪華ホーム

函館旧イギリス領事館1




『アメリカン・ハッスル』(私はスキですけど)よりは万人うけするでしょう。
プロローグの謎めいたシーンは、ラストで明らかにされますが、
それは、ラストでやっと気づくことになります。
たぶん、目の前のイリュージョンやアクションシーンに釘付けになっていますから。
こんなメンタリストの催眠術なんて、えへへ……などと突っ込んでいる間にまんまと目に見えない大きな罠
が仕掛けられている……よくできています。緻密な脚本が、ミスリードの世界へ誘ってくれます。

騙し合いや裏の裏をかくなどの展開は、今まで多くの映画で表現されるパターンです。
しかし、違うパターンです。
イリュージョンやアクションを堪能させつつ、これでまたやられたわけです。
設定の中にトリックをしのばせる、最近の流行でしょうね。一番の見所です。
イリュージョンなのか? 本物なのか?
幻想なのか? リアルなのか? 
めくるめく映像も素敵。

最初の舞台はラスベガスです。シルクドソレイユや一流のショーなどが楽しめて、カジノも楽しめる。食事やホテルは超豪華なのに比較的リーズナブル(カジノで元がとれるというホテル側の思惑)。無料のショーもあちこちにあり、毎日がサーカス気分。
私の大好きな観光地です。
日本でカジノ建設の論争がありますが、あまり興味のわかない雪華でございます。
カジノそのものが好きなわけではなくって、これらゼーンブの巨大エンターテイメント条件が揃っている所が魅力なのでね。そうすると、あれだけの規模が必要なんですもん。
次はラスベガスのマジックショーにぜひ行きたいです。

マジックはライブでないと面白さに欠けるだろうなと思っていました。どうしてどうして、この映画は臨場感たっぷりに魅せてくれるではありませんか。
ここまで、観客のような気分にさせてくれる映画は珍しいです。真骨頂でしょう。
絶対ねー、ダイアの7で、しょっぱなから驚くと思いますよ。ふふ。

ミステリ小説もそうなんですが、やたら謎を解こうとやっきになる方っていますよね。
あれ、どうなのかなあ? 本当に面白いのは騙される快感なのではないかなと私などは思うのです。
騙されて楽しいという、おめでたい人種なのです。
その騙し方がフェアであればあるほど、快感はマックスに達するわけで。
これは麻薬のように(麻薬知らんけど)、癖になるのだろうと思います。
ですから受身の側の楽しみと同様に、逆に作り手側の楽しみもわかるような気がします。
どうよ! っていう自信のラストを作り手が虎視眈々と待っている様子が目に浮かぶのでございます。
細かい突っ込み所より、おおきな罠を楽しむための深い計算を楽しむべき映画でしょう。
ツボにはまれば、私と同じタイプの嗜好でございますよ。

みんなが幸せになってハッピーエンドで終わります。
だいたい、イリュージョンとはスクリーンに映し出される映像そのもののことだと私は思うのです。

原題は『now you see me』だそうです。どういう訳がふさわしいのかわからなくて、ネットで探していましたら、『(仕掛けを)とくとご覧あれ』というマジシャンの挑発の言葉をあげている人がいました。これかな。
実に皮肉が利いています。
と、観終わったあとに気づきます。じっくり見ていたんだけどなってね、私は二回見直した(必死になってるやん!)。

伏線は見事にあります。

素晴らしい映画でした。ブラボー!!

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
白いユリ草が生い茂り