新春にふさわしい格調「椿」村上春樹さまの比喩

2014年01月20日

「容疑者X」韓国リメーク版映画が秀逸

はい、こんにちは。          雪華ホーム

今日の桜島





先日、500円で見られる白黒映画の「罪と罰」を観たんです。原作とは違うアレンジをほどこしてあるようですが、それに衝撃を受けました。
言わずと知れたドストエフスキー原作ですがね、「罪と罰」って倒叙ミステリーだったのか……と感心したのでありました。警察の偉い方がしつこくつきまとってきて、コロンボ警部の嫌がらせのようでしたのよ。ハラハラドキドキのサスペンスたっぷりで面白かったです。

それはさておき、映画を作る側のアレンジ、サジ加減でこうも違う映画になってしまうのかーという作品はよくあります。日本版の『容疑者Xの献身』は、ご覧になった方はどうだったでしょう? 私は、原作読むのをヤメヨって思った映画だったんですね。

東野さんの『秘密』は、斬新だったですよね。
SFとして、男の子と女の子が入れ替わるとか、時をかける〜とか、過去にもたくさん素晴らしい作品があります。あります。当然元に戻るためにどうするか? ということがラストの注目になるわけですが。
不自然なことが二回起こらないといけない。一生のうちに二回ぐらい大きな交通事故に遭って記憶喪失が再び、元に戻るというような。
そんなことアリエナイーってやいやい言われるでしょ。
東野さんのすごいところは、SFのように見せかけて心理サスペンス小説。
全く違う発想に拍手喝采でした。当時、賞なめ!したのも当然です。

東野圭吾「様」は今や日本を代表するミステリー作家様で、この名がついていると本がすぐ売れるという大人物ですもの。
ですのに、この映画は「何これ???」って思ってしまったわけです。ガリレオの一作目は、天才物理学者が謎を解くというものでして、これは読んだことがあります。ナトリウムは水と合わせると爆発するということも知らない私にとっては、無知すぎてそれが何なん? というぐらいの感動しか覚えませんでした。逆に天才でなくても、理科の先生ぐらいで充分な気もしました。

日本版「容疑者Xの献身(2008年製作)」に、この天才物理学者が必要なんだろうか? というのが私の一番大きな謎でしたのね。登場人物全てに不信感がつのる一方で、犯人にも、頼むから自首してくださいって、それしか考えられない映画でした。福山さんのいい男っぷりを拝むのだけが唯一の楽しみだったような、そんな感想でした。

そして、韓国版リメーク「容疑者X(2012年製作)」は、
ミステリーと見せかけて心理サスペンスーーの上をゆく文学にまで昇華させてしまったのです。私のツボにすっかり入ってしまったのは、驚愕のラスト。これは、すっかり『二都物語』、チャールズ・ディケンズではありませんか。
こうゆうラストに原作がなっているのかどうか、まだ検証しておりません。でも、俄然読みたくなりました。

日本版は、みせかけのミステリーにはまってしまって、本質を見失っています。
韓国版は、探偵役の天才物理学者を大胆にカットして、アレンジを加えつつ、本質に迫ることができたのではないでしょうか。
これだと、涙があふれて止まらなくなる。

作り方次第で、こうも違うのかというお手本のようでした。ぜひ比較してみてください。
噂で、ボリウッドでも「容疑者X」のリメークがされると聞きました。去年に出た、この話は韓国版の映画をふまえての動きではなかったかと思うのです

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