クリスティ読破3.『ゴルフ場殺人事件』春の燕子花のお稽古しましょう〜

2021年04月13日

『しあわせの百貨店へようこそ』

はい、こんばんは。          雪華ホーム


20210412今日の空


2018年のオーストラリア映画です。
原題は『Ladies in Black』。こっちの方がいいのにーと思います。

時代背景は1959年のシドニーなんです。グッズ百貨店は、やっぱり、百貨店でしょうね、
デパートじゃない。
私が生まれる前年の昔、百貨店は今なんかのようではなく憧れの存在でしたでしょう。
もてはやされるファーストファッションやファーストフードじゃなくて、
本物が輝いていましたし、誰もが一目置いていました。
私の出身地大阪の阿倍野には近鉄デパートというのがかつてありました。
七階建てくらいだったでしょうか、屋上に遊園地がある当時の典型的なデパートです。
北や南にある百貨店よりも、やや庶民的な百貨店だったと思います。
小学生の頃の私は自転車でひとっ走り、遊び場でございました。
もっとも遊園地以外あまり興味がなかったもので、ちっとも覚えておりません。
今は、あべのハルカスとして生まれ変わりまして、立派な大阪第三の繁華街の象徴となって
いるようです。もう、ちょっと手が届かない存在に。それでも、かつての百貨店の偉大さとは
全く別物だと思います。
大人は多少着飾って出かける場所だったように記憶します。
私より10歳ほど上の年齢の方が、デパートのエレベーターガールに抜擢されたときの事を
大変誇らしく語っていらしたことがあります。
女性の仕事が限られているということもありましたでしょうし、
綺麗で優秀な方がつく職種だったわけです。店員さんも今とは随分違ったと思いますよ。
ヒロインはリサという大学を目指す少女。
アルバイトで、婦人服売り場に配属されましたの。
売り場の女性社員は黒服に身を包み接客しています。
訳アリの先輩スタッフたちとリサとのやりとりが描かれます。

なんということはない、ストーリーの中に物語が紡がれるのが心地よいのです。
リサは奨学金を得て難関大学を目指す秀才の女の子。
受験の最中であるのに、読書に余念がありません。
ロシアの文豪トルストイの『アンナ・カレーニナ』を読んでいて、先輩にも勧めていますの。
上司のお宅でのパーティでは、
「ジェーン・オースティンの『エマ』も読んだ方がいいよ」とか、クリスティの名前が上がったり、
思わずにやけてしまう雪華でございます。
オーストラリアですから、英国の影響が強いのでしょう。
芝居は、シェークスピアかモリエールかと議論したり。
リサの夢は作家になるか、詩人になるか、女優になるか、あるいはそれらの全部だとのことです。
前途有望、若さ炸裂です。羨ましい。
社交の場で、ウィリアム・ブレイクの詩なども引用されます。
「ええなあ」、文化芸術が下々まで行きわたっとる! と、私感動の涙だったのです。
そういう古き良き時代だったのではないでしょうか。
これ、年寄りのセリフ?
つまり、映画の本題とは関係のない登場人物達の会話にけっこう引き込まれました。
きっと、監督さんの趣味も入っていたのかもしれません。

再現するのに費用がかかるんだと思いますが、
洋服売り場以外の百貨店内部も見せてほしかったです。

コロナ騒ぎが続きますが、
ワクチン接種さえ進めば、日本のデパートもきっと復活しますでしょう。

デパート大好き! ブラボー!






 



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