もう、クリスマス華流ドラマ『三国志 Secret of Three Kingdoms』

2020年12月03日

最古のミステリー『月長石 The Moonstone』

はい、こんばんは。          雪華ホーム

20201122房総ダリアの種類?





推理小説の元祖として、しばしば引用されるのは、
米国人作家エドガー・アラン・ポーの、『モルグ街の殺人』で1841年です。
それから20数年後ですが、1868年『月長石』は英国人作家ウィルキー・コリンズが
執筆致しました。
T.S.エリオットの『最初の、最長の、最上の探偵小説』が引用されるように、
当時脚光を浴びていたのでしょう。

日本で実際には、そうは知られていないのではないでしょうか。
聞いたことがある程度で、原作を読むには至りませんでした。
調べますと私が知らなかっただけで、
相当何度もドラマ化や映画化されていたようです。
今回BBC制作の5連続ドラマを見た衝撃で、
これは、読まなければと思い至った次第でございます。
文庫本770頁は辞書のように腕にずしりとくるのですが、読みやすくて捗りました。

お馴染みコナン・ドイルはポーを踏襲しまして、
変人の探偵と常識人のコンビの活躍を、相棒が物語の書き手となる作風で、
今でも不滅の黄金パターンとして定着させました。
ドイルは1887年から1927年ほどの活躍期。
推理小説を語るとき、この二人ポーとドイルの存在抜きには語れないのが一般的ですが、
大のクリスティファンとしましては、何か違う……という違和感をずっと持っていましたの。

クリスティさんの活躍期は1920年から1976年没まで。
自伝の中で、ポーの物語には感銘を受けたけれども、本格推理ではないなというような記述と、
自身も推理小説を書きたいと思わしめた作家として、
『アーサー・ヒューイットの事件簿』を挙げてアーサー・モリソン、ポール・ベックらの名と
今も人気のガストン・ルルーの『黄色い部屋の秘密』に感激したと、あります。
コナン・ドイルを読んでいないわけはないと想像しますから、
さしたる記述は無く興味は無さそうに見受けられますの。
私もそうですから……(偉そうに)。
そうだ! 同じだとうれしく思った部分でございます。
それが、この『月長石』で見事にスッキリいたしました。
ウィルキー・コリンズの影響から、クリスティへの流れがあり得るのではないかと、
ふと思った次第です。

『月長石』の最後の謎解きは、はっきり申し上げて「なんだよー」感満載ですが、
そこは、その当時の知識や流行によるものでしょうから、不問とします。
物語としての面白さが際立っているので十分でございます。
登場人物それぞれの思惑が交差しつつ、妙な展開になるのですが、
人間の感情として、まあ納得できるんじゃないかなと思えるドラマが見ごたえがあります。
そして、衝撃のラスト。
これをどういう書き方をしているのかしらん? という興味があってドラマを見た後、
大急ぎで原作を読みふけったという訳でございます。

フランクリンは1年前、叔父である大佐の遺志に従い、大佐の姪であるレイチェルに大きな大きな
イエローダイヤモンドを彼女に届けるのです。手渡したレイチェルの誕生日の夜、そのダイヤモンド
が忽然と消えます。
イギリス、ヨークシャのお屋敷での貴族の物語。オースティン好きにはたまらない設定と、
基本盗難事件の解決に当たりますので血生臭さはないのに、終始不気味な雰囲気を醸し出しています。
フランクリンとレイチェルとイケメンのゴドフリーとの三角関係。
メイドのロザンナの悲恋。興味深い展開に頁をめくる手が止まりません。

基本BBCドラマはあくまでも原作に忠実であることがわかります。
その中のエピソードとして、とても心に残る名シーンがあったのですが、
これは、原作にはないドラマオリジナルであったのです。
ドラマの脚色欄に二人の女性の名前があり、女性らしい視点なのかなあと思いました。
1話めです、フランクリンがダイヤモンドを持って久しぶりに、ヨークシャへ戻ります。
海岸近くに、馬に乗り颯爽と登場し、執事のベタレッジと感激の再会を果たします。
そのとき、ロザンナが傍らにそっと立ちすくんでいるのですが、
その足元に、フランクリンの胸を飾っていた一凛のバラが落ちます。
ロザンナが拾い上げ、彼に渡そうとすると、
「君にあげるよ」とさりげなく告げます。ロザンナの頬が薄っすら染まるシーン。
本の中では、陰からそっと見ていて、接触はないという場面でしたが。

レイチェルはダイヤモンドが消えてから、めったやたらと機嫌が悪く、
引きこもりを続けていて、不可解なまま、物語は進行します。
事件の謎を解くのは、男女の愛のミステリーが鍵となります。

ウィルキー・コリンズはディケンズ(私はたくさんの著書の中でも『二都物語』が大好き)
と親交が厚かったらしく、コリンズの弟の夫人がでディケンズの妹だったとか。

小説は事件にまつわる関係者の手記で構成されていて、一番の役者である執事のベタレッジ、
彼の存在抜きには読み切れなかったと思います。親しみを感じる名キャラクターです。
それから、こんな人絶対いるって思わせてくれる困ったちゃんのクラック嬢、弁護士、
フランクリン、医師ら、カッフ部長刑事などが、次々登場します。
読み終えて、
フランクリンの能天気ぶりには、後頭部を張り倒したい気持ちで一杯になりますが、
犯人は意外な人物でございます。
ダイヤモンドは元のインドへと無事に戻り、
めでたしめでたしのハッピーエンド。
これ、本もドラマも名作やん〜♪

ブラボー!!

20201122房総からの海






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