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2020年10月31日

チャウ・シンチー監督の『新喜劇王』

はい、おはようございます。          雪華ホーム

エアビーアンドビーの写真東屋からの眺め 編集






今日はチャウ・シンチー監督の最新作『新喜劇王』をご紹介します。
チャウ・シンチーさんと言えば、「少林サッカー」「カンフーハッスル」。最近では、
「西遊記」「人魚姫」と、荒唐無稽というのか、常識破りの発想展開というのか、
見る者の度肝を抜くのは、みなさんもご存知かもしれません。
一般的には、「バカコメディ」や「B級映画」などと言われることが多いのですが、
この認識をそろそろ覆した方がいいのではないかと思い至らせた一作でございます。
いつもの捧腹絶倒系ではありませんが、過激さ控え目ですので家族で楽しめると思います。

チャウ・シンチーさんのWikipediaによると、
香港出身の俳優で、脇役や端役を経て主役に上り詰め次第に脚本、演出、監督、制作と
一本の映画をほとんどまとめ上げます。
下積み時代にたくさんの本を読み学んだという逸話が残っています。
「西遊記」は、中国で5200万人を動員し、興収一位。
「人魚姫」は、世界で一億人超を動員し、アジア映画歴代興収一位を樹立。
何を言いたいかと申しますに、偉大なお方なんです。
クリント・イーストウッドさん同様俳優でありつつ、映画をコンスタントに
作り続け、ヒット作を連発するのは既に偉そうにしていい、「巨匠」と言っていい! 
大学の准教授もされている……。
それなのに、それなのに、このはっちゃけ具合は異常でございます。
このぶっ飛びさ加減をあえて崩さない姿勢を評価したいのでございます。
クリントさん曰く「私の一番のヒット映画は、動物が登場したもの」などと、
笑わせるインタビューがあったように記憶しますが、
観客動員数=良作 だとは一概に言えないことはもちろんでございます。
それでもですね、
笑わせ、喜ばせ、ハラハラさせ、なんでこーなるーと驚かせる、チャウ様の才能は恐るべし
つまるところ観衆がバカなんであって、観衆がB級人種なんだなと思い至ったのです。

私思うのですが、
逆境を知っている人というのは、他人からちやほやされるようになっても正気を失わない……
この監督の場合は、狂気を失わない。これは尊敬に値します。
この前、直木賞を受賞した馳星周さんは、このチャウ・シンチーさんの漢字表記である、
周星馳の文字を組み替えて、ペンネームにするほどのファンなのだそうです。
「チャウ・シンチー映画のファンでね」って言いますと、「変な人!」判定されますので、
隠れファンがたくさん潜伏しているはずです

チャウ様絶賛で語りすぎましたが、映画に戻ります。
「新喜劇王」は俳優さんの現場をのぞくような、今までのシュールな設定ではなく、
かなりリアルなのではないかと思える作品です。
ヒロインのモンは、いつまでたってもエキストラのままで、頑張っても頑張っても、顔もまともに
映らない端役や死体役ばかりですが、いつか映画女優にと夢見ています。
エキストラって、高い所から飛び降りたりですとかクラッシュする車の運転を替わってやったりする
というようなイメージしかなかったのですが、ああいうこともひょっとしてエキストラの方が
やっているのかもしれないっと思える興味深いシーンがありました。誇張はつきものですよ。
前半は、恋人に騙されているんではないかなあとか、仕事も散々な目に合っていて、
辛い場面の連続なのです。モンのピンチの場面には必ず「白鳥の湖」がBGMに流れ、
「ここは笑う場面よー」って知らせてくれていますからね、ご安心下さい。
モンの父親でなくても、そんな酷い仕事は辞めてしまった方がいいよと思います。
虐められて、我慢しているなんて絶対によしましょうね。
ただお仕事としての場合、そういう端役や脇役のおかげで作品が出来上がるわけで、
世の中もそういう仕組みになっているはずなのですよ。
一人ひとりが大事な役柄であることを認識し尊重する気持ちのない奴は論外でございます。
そしてモンは負けない。どんな状況でもヘコタレナイのでございます。
一つの事をやり続ける能力には
「運・鈍・根」がいるのだと、陶芸の先生の個展会場で先日教わったばかりなのです。
運はなんとなくわかりますが、鈍が面白い。
普通の感覚じゃない、ある種の鈍感さが必要なのでしょう。
根性というのは、ヘコタレナイ気持ちでしょうが、努力や勇気も含まれていると思います。

モンを密かに想っているエキストラ仲間の青年が実は……とか、
頑固おやじに見えるお父さんが実は……とか、
コテンパンに貶めてしまったベテラン俳優が実は……とか、
モンが実は……などなど、
王道と言えば王道、ベタと言えばベタなストーリー展開も、
落ち込んだ時にはとっても良く効くでしょう。

モンのすっとぼけた表情は愛らしくて、ブサイクに装っていますが、チャーミング。
あの、ひも男がなあ。ちょっと存在感薄い気もしますがご愛敬。

そうしてラストはちゃんとハッピーエンドで終えますが、
チャウ様の映画でこんなに号泣した作品は初めてでございます。もはや事件です。
夢を追うことの天国と地獄を示しつつも、応援する愛や、
悪役として登場する売れなくなった俳優への愛や、
親子の愛や、
何よりも映画への愛に溢れていました。

ジャッキ・チェンさんや、アンディ・ラウさん(一時はファンクラブ会員)
大好きな私としましては、
政治問題に関わりたくありませんが、
香港映画が今までのまま変わらずに自由な創作ができるように願います。

ブラボー!!



sekkadesu at 07:32│Comments(0)

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