今年の十五夜は十月一日

2020年09月17日

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」圧巻のインド映画

はい、おはようございます。          雪華ホーム

20200808湯野上温泉&那須テディベア博物館ねっころがり



今回、注目した映画は「バジュランギおじさんと、小さな迷子」。

旧インドは英国の植民地政策で不満を逸らすためにヒンドゥー教徒とイスラム教徒の反目を利用し、
独立時にインドとパキスタンに分割したと「チャーチル」だったかな? 何かの映画で学びました。
分割独立に最後まで反対していたガンジーはイスラム教徒に寛容すぎるとの理由で、ヒンドゥー教徒
の銃弾に倒れます。薄れゆく意識の中、あえてイスラム教で「あなたを許す」という意味の仕草である
額に手をそっと当てて亡くなったのだとか。
この映画の中に出てくる仕草で、おでこをパチンとたたくのは、「あちゃ〜」とか、
「だめだ、こりゃあ」みたいな意味なのですがね。このときの表情が面白い。

ストーリーはいたってシンプル、少々度がすぎるほどの正直者バジュランギが
生まれてからまだ言葉を発することのできない五、六歳の少女シャヒーダーを救う物語です。
救う……便宜を図ったり手助けしてあげるなどの軽い援助ではなくて、
心からの魂の救済と言って過言ではありません。
インド映画らしいダンスや歌が楽しく、最近はハリウッド風に変わってきた作品が多い中、
私はやっぱりこれが好きだなと再確認しました。
明るい話と、極彩色の画面はうきうきとした気分にしてくれます。
お馴染みの笑いあり、ハラハラあり、号泣ありの三時間近い映画に堪能しました。

シャヒーダーはパキスタンからインドにやってきたものの、母親とはぐれてしまいす。
出会ったバジュランギはあちこち掛け合ってみたものの正規ビザを受けられぬまま、
不法な入国を試み、命を懸けてパキスタンへとシャヒーダーを家族の元へと送り届ける、
苦難のロードムービーでもあります。重い題材ですが、決して暗くはなりません。
景色も壮大で美しいです。これはインド映画のお約束です。
結末だってだいたい予想の範囲のものですのに、
何故にこんなに泣けるのか、インド映画の力ここにあり! という見事な出来栄えでございます。
インドでの興行記録もずいぶんと塗り替えたそうで、さもありなんと頷けます。

子供と動物を使うのは、確かに反則技ですが、
ここまでかわいいシャヒーダーちゃんを見ますと、ちゃちゃを言う気にもなりません。
大きな目で、にっこり笑い、首を振る様子にバジュランギおじさんならずとも、
釘付けでございます。話せないのですから、この演技力は只者ではありませんよ。

インド・パキスタンのような隣国どうしの諍いは、日本も同様です。
恨みや憎しみではなく、お互いを思いやる愛で手を繋いでいけたらと願います。
夢物語ではなく、実現できるのだというような希望を、
この映画は見せてくれます。
国境の鉄条網に両国から集まった人々は、さながら東西冷戦の壁を壊した瞬間のようでした。

私の一押しシャールク様ではなく、この伝統的なインド映画での大ヒットは、
三大カーンの一人、サルマン・カーンさんがやってくれました。
女優さんも同じかもしれませんが、若くてハンサムな時には誰かが作ってくれた
名作に当たれば一躍有名になります。問題はその後でしょう。
中年期以降は、良い映画作品を見る目や選ぶ目が肥えているか、
あるいは良い作品を作る側にまわれるかで、
真価を問われるようになるのではないかと私思うのです。
アーミル・カーンさんは既に独自路線で成功されていますしね。スタッフも素晴らしい。

かつて山本周五郎は、
「純文学とか大衆小説だとかの上下ではなく、小説には良い小説と良くない小説があるだけだ」
と語ったそうです。
予定調和だのご都合主義だのという紋切悪評は、
良い映画には何の意味もないことは多くの人がこの映画を見て感じるでしょう。
上手い塩梅に調和させ、無理のない筋運びは、最高に良い映画ですもの。
好みの問題ではなく、良い映画と良くない映画は存在するものと私も考えます。
時には知識ではなく、感情に従いたいのです。
あふれ出る感動に身を震わせるのみです。それが一番大事なことかと。
この頃切に感じますの。
勉強して偉くなるのは、何のためなのかと。知識そのものの価値よりも、その知識を得る喜びを
得ることが大切なことなのではないのかと。
喜びは、無理やり詰め込んだり、他と競争するためのものではなく、
人と分かち合いたいと自然に思います。ですから同じ思いの仲間が引き寄せられるのでしょう。

バジュランギは、
ちょっと、おバカかしらんと人から思われても、
真っ当な主義をどこまでも貫き、
暑苦しく、正論を語る。
努力や献身をいとわない。
まわりが呆れるほど、隣人を愛する。
(そういう人間に私もなりたい……
良い映画の原点をインド映画に教わる今日この頃なのでございます。

やっぱり大好きボリウッド。ブラボー!!

20200808湯野上温泉&那須テディベア博物館くまさん集合写真




sekkadesu at 09:19│Comments(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
今年の十五夜は十月一日