『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』母の”月”

2020年05月08日

映画『イエスタデイ』ビートルズは偉大なり

はい、こんばんは。          雪華ホーム

2019あしかがフラワーパーク



気分がパーっと晴れる映画を紹介します。
音楽もので、誰でもが知っているザ・ビートルズの映画『イエスタデイ』。
伝記かなと思いきや、ファンタジーラブコメできた意外性に驚きます。
世界から猫が消えたら…とかいうのがありましたね、
発想としては同じかもしれませんが、ビートルズが存在しない世界を描いて、
ビートルズを面白おかしく、けれどしっかりレスペクトしようという効果は絶大でございました。
華やかな世界とどん底に落ちた姿を描く伝記もの映画が多いでしょう?
ああいうタイプのものは私は好きではございません。
ボヘミアン・ラプソディーよりも、格違いの楽曲揃いですから音楽映画としても
申し分ないです。
監督がダニー・ボイルさん? エッと思いましたが、
脚本がリチャード・カーティスさんさんということで、腑に落ちましたし、
いえ、今まで以上の佳作ではないでしょうか。

主人公のジャックはイギリスの海辺の町に暮らしていて、アルバイトをしながら、
シンガーソングライターを夢見ていますのね。でも、あんまりパッとしないので悩んでいます。
たった一人、幼馴染のエリーだけが彼を信じ支えてくれています。いい娘。
ある日停電が起こりジャックは交通事故に遭い、目を覚ますとそこはビートルズが存在
しない世界になっていたんです。
停電の映像など興味深かったですよ。
病院に見舞いに来てくれた仲間に、イエスタデイを披露すると、
「いつ、そんな名曲つくったんだよ」みんなが目を丸くします。
ジャックはかつがれていると最初は思います。
真顔でエリーも「ビートルズって知らない」という始末。
自宅に戻り、ビートルズとパソコンで一生懸命検索するんですけど、出てこない。
なぜだ。なぜみんな知らない。
どうやら自分だけがあの名曲の数々を知っている! ようなんです。
そりゃあ。こうなると、頂いちゃいますわね。

両親に新しい曲だよって、レット・イット・ビーをピアノの弾き語りで
聞かせる場面が、捧腹絶倒でございます。
ジャック曰く「この世界で最初にこれを聞くんだから、ものすごいことだよ」
お父さんとお母さん、他の話を始め歌を聞いていない。
おまけに電話かかってくるわで、お父さん中座。
もどって、ソファに座り直し「出だしは聞いたから続きから頼む」
ジャック「最初からいく」
息子がそんなたいした曲を作れるなんて、全然思ってませんからね。
こんなもんです。世の中というのは……(笑)。世紀の一瞬なんて凡人にはわからん。
このコミカルなシーンは最高でございます。

イギリスはアイデアが無くなれば、ディケンズ、オースティン、クリスティの作品を
リメイクすればOKですし、ニュー・シャーロックまでありますし、
国の文化遺産とでも言える文芸を映像として実にうまく活用されていると感心します。
日本もあるはずでしょうに、と残念に思います。

自分が作詞作曲したという触れ込みでジャックは一躍スターダムに上りますの。
ジャックという青年は、映画の中での話ですけどね、
スターのオーラなどは無いんです。田舎っぽい、愛嬌のあるタイプです、私は好き。
それでも、そんなこと関係ないのでございますよ。
楽曲の力が。
ビートルズのメンバーがいなくても、ジャックはたちまち人気者。

でもね、ずっと嘘を言い続ける罪悪感に責められる…。
コンサートの後、楽屋に二人がやってきて、私達はなぜかビートルズを知っている
と言うんです。
「あちゃー」ぼこぼこにされると思うでしょう?
それが、いい話になってる。よくできてます。ビートルズは愛されているんです。

もし、ジョン・レノンが生きていたら、なんてね。
ファンには嬉しい登場シーンもあります。
見た目の雰囲気といい、言動といい、なんかそれらしいんです。

偉大な作品はみんなの宝物として残るんですね。
それがどんな形であれ、本物は時代を超えるとつくづく気づかされます。

ザ・ビートルズ、ブラボー!!



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