一人散歩も、また楽しい燕子花(かきつばた)

2020年04月10日

『クローゼットに閉じ込められた僕の奇想天外な旅』

はい、こんにちは。          雪華ホーム

万葉植物園2019の2



長いタイトルの映画ですが、これが実に楽しい作品でした。
『クローゼットに閉じ込められた僕の奇想天外な旅』
日本では去年の夏ごろ、いくつかの映画館で公開されていたようです。
フランス、アメリカ、ベルギー、シンガポール、インド合作の冒険コメディです。
『人生ブラボー!』(2011)が各映画祭で評価されたケン・スコットが監督を務め、
世界各国を飛び回って撮影が行われた作品です。
現在の状況では考えられない、スケールとワクワク感爆発でございます。
不要不急の外出は禁止だと、さんざん繰り返されていますから、
大人しくパソコンのキーボードをポチポチしているのですが、
「不要不急のもの」は意外に大切なものでございますのよ。
あんまり、テレビにかじりつき危ない危ないと言われ続けているよりも、
思い切って別のことをしませんか。別の考えが生まれるかもしれません。
芸術や文化は不要不急のものの最たるもの、読書や本来の学問もそうかもしれません。
外出しなくてもできるものに没頭できるチャンスです。

さて、
主人公アジャは教師なのですが、連行された非行少年に自らの半生を語ることから
物語が始まります。
アジャはお母さんと二人ぐらしで貧しいのですが、
幼い頃は自分が貧しいということに全然気づかなかったっていうんです。
これが面白いのですが、自分の世界はせいぜい、隣近所とおばあちゃんの家など四世帯ぐらいなもの。
みんなアジャと似たりよったりのうちなんですから。
私自身も同じだったと思い出します。
違いが少し目に見えてきたのは小学校に上がるぐらいの年齢になった頃です。
一クラス昔でしたら40人ほどいましたでしょうか。全然違う環境の子供がいっぱいいるんだ! 
と驚いたものですが、まだまだほんの一部しか見ていないことに、その時には気付きません。
インターネットの時代になって、本当に世界が広がったと言えるのかどうか、
日頃疑問に思いますの。小学生の頃からの友達とずっとネットで繋がり、まやかしのネット上の
「友達」なるものが増えても、同質の者だけが密に固まる状態が本当に広い人脈を得られるのか、
と危惧します。
「六次の隔たり」という言葉を聞いたことがありますでしょう? 自分の知り合いを六人以上
介すると、世界中の人々と間接的につながるという仮説です。
数字的に、6の6乗を掛けてゆくと世界の人口になるのだということから言われています。
もっともそうな話に見えますが、同じ人間が何度も繰り返されることもあるので、
実際は不可能なのではないかと思われます。
数人しか知り合いの無い人の友達もやはり数人しか友達がいないことが多いと思われるからです。

アジャはなぜか家具店のパンフレットに衝撃を受けます。これが世界の広さを教えてくれるのです。
こんな家具が置いてある家って、誰が住んでるんだろ? みたいなね。
ちなみにこの映像を見ていると、「あっイケアだ!」ってたいていの日本人ならわかります。
この映画の原作が『イケアのタンスに閉じ込められたサドューの奇想天外な旅』なのだそうです。
家具店に行くために、アジャはパリを夢見ていました。
母の死をきっかけに単身パリに向かうことになり、これからが予測のつかないジェットコースター
ムービーの始まりです。
パリでは素敵な恋人候補が現れ、夢のような展開です。
でもお金が無くて眠る場所がなくて……のようなことになったわけです。
映画を見ていただきたいので、詳しい内容は省きます。
気球に乗ったり、、、(止めます

このDVDを見ていて、私にとり一番衝撃的だったのは、
『ミステリー・イン・パラダイス』のリチャードに出会えたことです。
ロンドンで他の違法移民と一緒に捕まり、その時の担当刑事役がベン・ミラーさん。
アジャの不正?パスポートをジャーっとシュレッターにかけ、
「バルセロナに送還するから」
「なぜ? 僕パリに戻らないと、彼女が待ってる……」
「バルセロナ!」
ほんの端役なところが、存在感を示していましたねえ。
歌やダンスまで披露し芸達者ぶりを十分にアピールしていました。最高〜♪

私も実は、初めての海外旅行(四か月ほど)が初めての一人旅でした。
ここまで奇想天外ではありませんが、驚きと恐怖と感動の連続でございました。
ある時期このような体験をすることは、その後の生き方を大きく左右するものだと思います。
良い意味で。
今回の世界的な騒ぎで、命や健康上の問題だけでなく、
他の大事なものも失わないようにしたいものです。

旅はブラボー!


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