長崎のランタンフェスティバル〜長崎ランタンフェスティバルの写真、追加します

2020年01月30日

『陽光桜−YOKO THE CHERRY BLOSSOM−』

はい、おはようございます。          雪華ホーム

長崎大浦天主堂







桜が待ち遠しくなる今日この頃でございます。
陽光桜という品種をご存知でしょうか?
私はこの映画を見るまで知らなかったのです。
日本原産の交雑種のサクラで、愛媛県に在住していた高岡正明さんという方が
25年もの歳月を経た試行錯誤の結果、
天城吉野と寒緋桜を交雑させて作ったのだそうです。
2015年笹野高史さん主演でほぼ実話として上映されました。

この主人公を見事に演じている笹野さんですが、
変わり者爺さんとして笑わせてくれます。
学のある人物のようで、自分の部屋には難しい本が山のようにあり、
興味のある分野には話が止まらなくなります。
飄々として、まるで悪意のない面白い人です。
商売にはとんと興味がなく、新種のサクラ作りに湯水のように家の資金を投入。
造園や農業の家業は火の車です。
息子の身になると笑ってばかりはいられないでしょうね。当然です。
「このままやと破産やけん。なんで金にもならんばかりか、山を売ってまで桜ばっかり作っとる」
と、カンカン。
逆に息子のお嫁さんも、正明の妻も、たいへん彼に好意的であるところが立派です。
なぜなら、正明はそこらへんの凡人ではありませんもの。
ただのじいさんに見えますが、偉大な人物でございます。
こういう映画を作ってくれて本当に感謝します。監督は高橋玄さん。
被害者としての戦争を描くことばかりではなくて(それも必要ですが)、
時代に流されるばかりだった当時の反省や今後の運動へと結びつけられる、
本当の反戦を教えられました。

息子から叱責され、ある日正明は過去を明かしますの。
正明は第二次世界大戦中に学校教員として勤務しており、
体が弱くて、自身は徴兵されていないのですが、
生徒たちをたくさん戦地へと見送ったのです。
「日本は神の国だから、戦争に負けることはない。
存分に戦ってこい。そしてまた、この桜の下で会おうな」
と生徒たちを激励して別れたわけです。
この言葉は戦時下では普通のことだったでしょう。
生きて帰って来いという言葉すら、ためらわれる状況だったよう。
しかし、現実は周知の通りでございます。
目を負傷して帰って来た生徒がいるくらいで、ほとんどが亡くなった。
正明は、自分が生徒たちを死なせたのだと強烈に悔います。
その涙が、息子の目にも伝わります。

正明の戦後は、
平和のためにできることをずっとずっと考えて暮らすことになります。
首相にだって、天皇にだって、世界平和のためのメッセージを電報で送りますし、
アメリカの大統領にでもです。
桜を死んだ生徒たちに見せてやりたいと切に願ったのでしょう。
ですから、普通の桜では駄目だった。
「新種の桜を作らせてほしい」と頼みます。
極寒のシベリアで散った子や亜熱帯のインドシナ半島で亡くなった子もいましたから、
どんな気候でも花を咲かせ、病気にも強い品種でなければならなかったのです。
なるほど、と納得はしたものの、その思いが25年も続けられるものでしょうか。
寒さに強いソメイヨシノに由来を持つアマギヨシノと台湾原産の暑さに強いカンヒザクラを
交雑させ誕生したそうです。
樹形は広卵形で、ソメイヨシノより早く咲き、花は一重の大輪、鮮やかなピンク色という
特徴です。テング巣病や病害虫に強い樹勢、強健な種とされるそう。

新品種が終に誕生すると、今度は、
その桜を無償(送料も)で世界各地にと送り出したのです。
生徒たちへの鎮魂の気持ちはもちろんでしょうが、
花を見て、無益な戦いをこれからも止めることができるようにと
きっと願ったことでしょう。
「平和」って、念仏やスローガンであってはなりませんもの。
自らの痛みを伴わない、説教や優しさは偽善かもしれません。
正しい言葉は必ず正しい行動を伴うはずですから。

高岡さま、ブラボー!!


コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
長崎のランタンフェスティバル〜長崎ランタンフェスティバルの写真、追加します