DVD『九月の恋と出会うまで』爽やかな十月

2019年09月26日

『ホロヴィッツとの対話』三谷幸喜作

はい、こんばんは。          雪華ホーム
飛鳥山公園




芸術家三部作として、1は2007年のゴッホなどの絵描きを扱ったもので、
こんな会話をしているとは私にはどうしても思えないと感じてしまって、
1はボツ(私の独断、ふふ)。
2は2011年「国民の映画」は、私が思う三谷さんらしいお芝居で、ボツじゃなくツボに
入ってきた作品でした。
実はこの3が「ホロヴィッツとの対話」2013年、これが最高傑作ではないでしょうか。
そんなにクラシックに詳しくないですが、それでも少し耳にはいってくるほどの巨匠、
二十世紀の天才ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ夫妻と
その名調律師フランツ・モア夫妻との一夜を描いていますの。
爆笑に次ぐ爆笑でございますが、これが本来の笑いではないかと思います。
意味のないドタバタや、人が転んでおかしいとか、弱い人間への悪口ですとか、
その類のお下品な笑いが多い昨今でございますが、違う! 違うのだ! と。
「これ、あるよねー」という、共感と同意とふいに襲ってくる、おかしみ。
これですよー三谷さん。

天才と呼ばれる方の天真爛漫さが、周りの人間を振り回すのございます。
悪気はこれっぽちもないのですよ。でも悪気がないのが一番の困りものですよね、
悪気があれが直すこともできるかもしれませんもの。

そのホロヴィッツを段田安則さんが演じていて、乗り移ったかのように見えます。
拍手喝采を我が家のプロジェクターから放たれる映像に向かって送っている雪華。
本当に素晴らしいです。
その婦人ワンダを高泉淳子さん。あの夫を持つとこうなるのか、
こうだから、あの夫と共に生きられるのか、とにかく迫力満点。
家に迎えるフランツ・モアを演じるのは渡辺謙さん。
こちらも職人として天才的といわれるけれども、普通の人の心情を代表してくれているようで、
親しみを感じます。
フランツの妻が和久井映見さん、上手ですよねえ。
苛立たしさや面倒くささを的確に表現してくれて、くすりと笑わせられました。
このたった四人のお芝居です。
笑いとともに、芸術って何なのかしらんと思いを馳せられます。
一身に打ち込むに足る天職を全うできる一握りの人々がいるのが現実世界ですが、
普段は、雲の上の存在で全く無関係なわけです。
それを少し覗き見られる幸せを私も感じます。
凡人には理解不能の苦悩もきっとあるはず。
それだからこそ、
ホロヴィッツに振り回されていても、
きっと周りの人たちも暖かい気持ちで付き合うのでしょう。
大きなレスペクトと共に。
なんて、恵まれた人でしょうね。……迷惑な人なのよ、これが(笑)。

ワンダが言います「この人ーーピアノは天才だけど、普段は5歳児なのよ」
ホロヴィッツが苦笑いしながら「それはひどいなあ。せめて7歳児にしてくれないかな」

8歳児だったかもしれませんが、大勢に影響はないでしょう。
プレゼントだと思われる包みをホロヴィッツが訪問時に手にしていたのですが、
これが、またまた腰砕け。
見てのお楽しみですがね。
このエピソードも大いに有り得るのでございます。
喜劇ですけれどもね、とてもシリアスな劇だとも言えるのです。
どこまでが事実で、どこからが創作なのか、とても楽しいワンダーランドです。
予習する必要などありません、見たままを感じましょう〜♪

三谷さんは素晴らしい作品を数々残されていますが、
これ何なの? という作品もあります。人がいっぱい出てくる映画とか、TVドラマとか……。
古畑さんは大好きよ。
シェイクスピアだって、あれだけの数の作品が残っているのですから、
駄作もあります。えっ? 少なくとも私はそう思っています。
ですから、こんな傑作を生みだす三谷さんもまた天才なのでしょう。

舞台でのピアノ曲も素敵。
ブラボー!!



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