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2019年08月09日

『判決、ふたつの希望』

はい、こんにちは。          雪華ホーム

柏あけぼの山農業公園3




レバノンの映画としては初のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品だそうです。
たいへん興味深かった印象に残る映画でした。
レバノンと言われても、なんだか遠い国の話に思えます。
wikiでまず基本的な情報(でも長文)を得ようと読んではみましたが、
さっぱりわかりません。
よくよく地図を見ますと(私はグーグルマップではなくて世界地図帳を広げ)、
中東のやや東側地中海に面しています。
北がトルコ、東がイラク、南がヨルダン、西にイスラエル、
ニュースで耳にする、きな臭さぷんぷんした地域でございます。

映画は、なんということもない些細な喧嘩から始まりますの。
壊れている樋を修理に来た人がたまたま、国を追われたパレスチナ難民のヤーセル。
家の持ち主はレバノン人のトニー。壊れたままのバルコニーから水を駄々洩れさせている。
修理してやろうとしているのに、出来上がった樋を怒って壊してしまうのです。
ヤーセルは侮蔑の言葉を発し、トニーは謝罪を求めて裁判にまで発展します。
トニーさんも、トニーさんですけれども、
いい加減、ヤーセルさん仕事が首になりそうですから、謝った方が得よ、
とこれを見ながら私は思い始めます
ヤーセルさんは頑固おやじ風で、雇い主の説得にも応じません。
馬鹿らしいほどの日常でございます。
それがいつのまにやらそれぞれの思惑の人々らを巻き込んで、
国家を揺るがす対立に発展します。
関係の無い人間にとりましては、「些細な」と思うのですが、
当事者の双方にはそれ相応の歴史があり、過去の戦争で受けた許せない怒りがあり、
己が正義だと主張します。
戦争の本質を突き付けられます。
怒りはどんどん膨らんでいくのをどうやって止めることができるのか、
ただただ、無関係だと信じている私は途方に暮れるのでございます。
本当に全く無関係だと言い切れるのか、もわからなくなります。

謝罪に拘るトニーが抱え込んでいる虐殺にあったキリスト教徒の激しい怒り。
1970年に発生した旅客機同時ハイジャック事件をきっかけに起きたヨルダンによる
パレスチナ解放機構(PLO)追放(黒い九月事件)により、多数のパレスチナ難民が
レバノン国内に流入したのだそうです。
その難民の一人であるヤーセルさん。
よくある喧嘩と笑えない状況がやっとわかりかけるのでございます。
ちょっとですよ、本当にわかってはいません。複雑すぎますもの。
たくさんの宗派がこの時シリアを取り巻いて、それぞれがそれぞれの正義を主張しています。
キリスト教ならマロン派、正教会、プロテスタント、ローマ・カトリック。
イスラム教ならスンニ派、シーア派、アラウィー派、ドウルーズ派。
書き写していても、よくわからない。

ただこの映画を観ていて、そんな難しい宗派や理屈が戦争の理由ではないのではないかと
思えてくるのです。
映画では、トニーとヤーセルの心の通い合いが生まれるところで終わります。
現実世界も、こうあってほしいと思います。
お互いに自分だけが被害者ではないと相手を思いやれる気づきがあったのでしょうね。
気づくために、まずはわからなくても知ろうとすることから始めなくてはと教えられました。


ブラボー!!

柏あけぼの山農業公園1

柏あけぼの山農業公園2

滝の周囲は涼しいですね。↑ひまわり畑の写真ともども、
千葉県柏市にあるあけぼの山農業公園です。







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