八重桜蝶々が舞いはじめました

2019年04月18日

DVD『日のあたる方へ 私という名の他者』

はい、こんにちは。          雪華ホーム

オジュウ庭





感動した宝塚歌劇でした。
副題はスティーヴンソン作「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」より
とあるように、あのジキルとハイドの物語から作られた作品です。
ただ、この原作のイメージから宝塚的にとてもロマンティックな脚色が施されて、
とてもいい作品になっていると思いました。
あまりにも良かったものですから、
忘れかけている原作を思わずAmazonでポチっとし短い小説ですから再読してみました。
ネタだけがあまりにも有名になってしまったのですが、
これはちょっとした推理小説です。
ジキルとハイドが書かれたのが1886年。
「緋色の研究」でシャーロック・ホームズが鮮烈デビューしたのが1884年。
不可解な事件の謎を解くというストーリーに影響を及ぼしたかもしれません。
これとは全く関係がありませんが、
文豪ドストエフスキーの「罪と罰」(1866年)も、立派な倒叙ミステリーと言えます。
ちなみにWikipedia情報によれば、コロンボ刑事の脚本家ウィリアム・リンクは、
コロンボのキャラクターは罪と罰のポルフィーリィがモデルだと発言しているそうです。
コロンボ第一作めは秀逸で衝撃的でしたが、すごく怖いコロンボさんでしたもの。
手段は選ばず的な迫力がありました。
あれを見て「罪と罰」に似ているなあと実は思っておりました。
その後、お茶の間に人気が出るようなとぼけたキャラに変わりましたが。

それはさておき、
宝塚歌劇ではジキルの知らぬところで、ハイドに変身してしまっているという設定に
なっており、自分は殺人犯なのかと怯える心理描写が真に迫っていました。
理性と本能の葛藤という点では同じものがありましたね。
幼馴染の女性の精神疾患を懸命に治療するジキルの精神科医としての姿がりりしく、
その無垢な女性との素敵なラブストーリーに仕上がっていました。
これは、原作から大きく離れた驚きの展開です。
原作のジキルは全くの善という存在ではありません。
そもそも、全くの善人全くの悪人というものが存在するわけなどないでしょうから。
そこに文学的意味が込められているわけです。
それにしても、意外に成功したお芝居だったと思います。

同じ時期に見たツルゲーネフの「初恋」を原案にしたお芝居は、
なんともお父さん一人悪者にした気がして、少々幻滅しました。
私もあの小説のラスト近くで、
お父さんが息子に説教するセリフに確かに苛立ちましたけれども。
あの原案では、宝塚歌劇のヒロインとしては描きにくかったのか? 
私としては、「三四郎」の美禰子的ファムファタールとして十分魅力的に出来た気がするのですが、
どうなんでしょう。

宝塚歌劇、ブラボー!

中山CIMG0310









sekkadesu at 08:00│Comments(0) ★★★DVD・新作映画の感想 

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