今年は梅の実が豊作でした自然の恵みと天災と

2018年06月14日

『検察側の証人』

はい、こんばんは。          雪華ホーム

サボテンの花2





言わずと知れた、アガサ・クリスティの名作です。
クリスティファンには、ベスト5に必ずや入るでしょう。私も大好きです。

原作の短編と、
後に戯曲用に書き直した同名作品では、どんでん返しのラストがさらに追加されていますのね。
本を読んで、ストーリーをよく知っているファンが劇場に足を運び、
さらに驚いて帰るという、サービス精神のありよう。
文字で罠を仕掛けることができない、演劇の場合には視覚的なメリットを最大限に活用しますし。
ミステリーの女王は、お芝居が大好きな騙しのスペシャリストでもあります。

クリスティ様(さんじゃなく)のどこがそんなに好きなの? とよく聞かれますが、
これが、うまく言い表せないのでございます。
もちろんネタばらしはできませんしね。
多才で、いろんな面がありますからねえ。一言じゃあ、絶対無理!
改めて、何がこんなにも読者を熱狂さるのかと考えてみますとね、
トリックももちろんものすごいものがありますが、
それだけではないと思うんです。
見たままの現実が真実ではないんですよ、という驚かせ方にあると私は思っていますの。
そのために、用意周到なドラマの展開が繰り広げられるわけです。
人間関係の再構築を促される体験が、たぶん目を開かせてくれるようで快感なのだと思います。
そういう意味で、同じく英国のジェーン・オースティンと似ていると感じます。
こちらは、ミステリーではないですから、何の作為もない現実社会であっても、
誤解したり、偏見があったりすることはありますでしょう?
ああ、自分の見方が間違ってたのか、という発見がすこぶる楽しいのです。
ホラー風味のものもありますが(前身はきっとおどろおどろしたもののジャンルだったかな)、
今までとは全く違う新しいミステリーの枠組みを作った偉大な人です。
緻密な計算に基づく会話や様式の美しさ、
このセンスの良さをなんと表現するべきなのか、わからない雪華でございます。
もっと、うまく説明できるといいのですが、
諦めて「読んでください」が一番でしょうね。

最近出版された、『アガサ・クリスティー完全攻略(霜月蒼著)』
ハヤカワ文庫のブックガイドがいいです。
うまく、おっしゃる〜流石という部分と、ちょっと趣味が違うかなっという部分と。
重い題材のものがお好きな感じですが、なるほどと思うところがたくさんありました。

今日はそれらの本の話ではなくて、DVDの感想のつもりだったのでした!
白黒映画ですが、古典の名作です。見て損なし!(きっぱり断言)
こちらですと、二時間弱でほぼ、戯曲版と同じ楽しみを味わえます。
冒頭のつかみ部分は、ひょっとして、こちらの方がコミカルで面白いかもしれません。

問題は邦題なのですよ。
『情婦』というタイトルがついています。
なぜ〜?
オリジナルには、Witness for the Prosecution (検察側の証人)としかないのに、
変てこりんなタイトルを、今からでもいいので抹消してもらいたい……。
この映画いいですよ、と人に勧めても、まさか『情婦』だとは思わないでしょう?
検索するにしても、困りもの。
このタイトルの発想は、
やはりミステリー後進国なんじゃないかと、昔から思うのでございます。



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