オペラ『ヘンゼルとグレーテル』「ホトトギス」という名の植物

2014年09月29日

名作! 『ブロードウェイと銃弾』

はい、こんにちは。          雪華ホーム

週末に夕張を訪ねたんです。国際映画祭のある町、メロンの町、そして炭鉱のあった町。
すこーし、紅葉していました↓
夕張の紅葉






『ブロードウェイと銃弾』(Bullets Over Broadway)は1994年製作のアメリカ映画。
ウディ・アレン監督の傑作コメディで、ご存知の方が多いのでしょうが、私は今回初めて観ました。
この監督作品(ほんとにたくさんあって、人気が高いという証しでしょうが)は何作も観ていたのに、
これが一番ではないかという後悔やら、この映画を教えて頂いて感謝感激という興奮やら、の雪華でございます。

新進気鋭の劇作家であるデビッドが主役です。
初めて自分の戯曲をブロードウェイの舞台にかけることに成功しましてね、そりゃあ夜中に飛び起きて仕事の話をしたくなるぐらいの熱の入りよう。
彼は言うのです。「私はアーティストだ! 私の本のセリフに文句なんか言わせない!」
しかし、そのスポンサーはマフィアの親玉ニックであり、ろくに台詞もいえない自分の愛人オリーブを主演に据えろと要求してきます。ありがちな展開……ふふ。プライドの高い主演女優ヘレンは独特のオーラを放ちつつ結局は自分が映えるようにと脚本を書き換えろと色仕掛けでこちらも要求してきます。ワーナーという役者は、とても素直に応じてくれるけれども、過食症で何度かダイエットに成功するも体型が維持できない。
どれもこれも、一癖ある登場人物がはちゃめちゃに動き出して止められないデピッド。現実を受け入れ始めるのです。

出だしから、快調なんです。おおーっと楽しみながら笑いころげ、そして罠にはまっていった私。
会話がオシャレで的確ですねー。こういうセリフは本当に文句のつけようがありませんわ。
マフィアの登場がありがち……なんてね、思わせておきながら、
すっごいよく練られた設定であることに次第に気づかされます。マフィアじゃなきゃいけない。
伏線も、実は巧妙に挿入されていましたね。
酔っ払いながらの雑談のシーンが効いている〜お見事としか言いようが無い。
もしもね、火事が起こったとして、アーティストの君ならどっちを救う? っていう二者択一問題です。
シェークスピアの未発表原稿と、ただの普通の人の命と。
キャッキャと笑いつつ、
常識ある(?)一般人の私としては、しょうがないですわね、人命に勝るものはないのですからと答は簡単。

オリーブのボディガードとしてチーチというマフィアが、舞台稽古にくっついてくるんです。親分から、愛人をスターにさせるために、見張ってろという命令を受けている。
だけど、部外者ですから、後ろの方に座っていてちょうだいと言われて大人しくしているのです。
チーチはそれくらいの端役です。
いや、「でした」。

ところが次第にチーチが演出に口を挟んでくるのですが、これが実にナイスなアドバイス。最初は口出しをしないでくれと怒ったデビッドですが、チーチの言うことが正しいことに気づき、彼と共に脚本を書き直したおかげで舞台は大成功することになるのです。
チーチの役柄が、将棋の歩の駒から金に成ってるでなはいですか。ストーリーは俄然盛り上がりをみせます。
チーチ恐るべし。怒涛のラスト! これだけは言えません。

チーチは根っからのアーティストだったのではないか……。
アーティストって何だろうって、考えさせるまでに至らせるんですから、
この傑作コメディは素晴らしい。ブラボー!! 「アーティスト」っていうタイトルでもいいぐらい。

この映画を教えてくださったのはですね、私が今、通信教育で学んでいる大阪文学学校の先生(チューターと呼んでいますが)です。創作の小説の中に、こういうアイデアを盗めというアドバイスでした。
人が思うほど、真似るのって簡単じゃない。
映画はスゴイけど、自分の作品を思うとまた悩み多い今日この頃でございます。でも、楽しい。

ふっと思い出して、いけばなの話になりますが、
私の師匠がよく言っていた言葉ですが、「十人中九人は『いいね、きれいね』って思われる花を生けなさい」って。絵画や彫刻のように後世に残る作品だったら、死後に賞賛されることもひょっとしたらあるかもしれないけれども、花はTPOに左右される生活芸術だからと。共に生きるのが、いけばなの良さだからと。
私も全くそう思いますの、生活技術と言ってもいいぐらい。
芸術家と思われる先生方も、もちろんいけばな界にもいらっしゃいますが、多くは芸術家というよりは職人ではないかなと思います。ある程度のレベルをある程度の数こなすことができる技術を学んでいるわけです。うまくいけば、最高の技術は芸術の域に達するのかもしれません。
学ぶは、真似るを語源とするのだそうです。
いいもの、本物、古典を真似ることを創造じゃない、アートじゃない、個性がない、と言うのはもっともっと高いレベルの、プロになってからの話ではないかと思います。
アマチュアは真似てなんぼのもんだと思うのです。それで上達すれば、最高〜♪

と、わかっちゃいるが難しいのよね。これだって


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