ちえりあオペラシアターにはまっております。
オペラの舞台背景・見どころなどについて講師が解説をし、併せて本場のオペラを 収録したDVDを教材にして、大画面でオペラの魅力を鑑賞という講座。 講師は札幌大谷大学 非常勤講師 大門 敬明先生。

前回のワーグナー作『マイスタージンガー』ほどの興奮や余韻はありませんでしたが、
メルヘンの世界に浸ることができました。ワーグナーは恐るべし。

音楽は、エンゲルベルト・フンパーディンク。師匠のワーグナーの影響と、
ドイツ民謡との共通点を映画上映前の講義で、大門先生がおっしゃっていました。

知らず知らずに子供の頃習った曲がドイツ民謡を元とするものだったりするのですね。

「童は見たり（わらべはみたり）、野なかのばら」の歌い出しで知られるドイツ歌曲「野ばら」は、日本ではシューベルト版（1815年）と並び、ハインリッヒ・ヴェルナー(Heinrich Werner/1800-1833)によるメロディーが知られる

「こぎつねコンコン山の中♪」の歌いだしで知られる文部省唱歌「こぎつね」

「お池のまわりに野ばらがさいたよ　ぶんぶんぶん！」のぶんぶんぶんが、タイトル？

などの曲を連想させるようなオペラ楽曲があり、懐かしく楽しく思い起こしました。

本当のオペラファンには怒られそうですが、
ヘンゼルとクレ−テルのビジュアルは、はらいのけようとすればするほどに、
幼い兄妹というよりは、
油の乗った中年夫婦のように見えてしまいますのね（私も太いですから、他人のことは言えないと承知しつつ）。
だから……アップで撮らなくてもいいのではないか……と余計なお世話。
広い劇場ならＯＫでしょうが。

サミュエル・ウルマンの「青春」という詩を引用するまでもなく
　　青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相(ようそう)を言うのだ。

　　優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、

　　こう言う様相を青春と言うのだ。

　　年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。

のだそうでございます。とすれば、童心も心の持ちようということかもしれません。
見た目云々と言っている間は、未熟というものでございます。芸術の力が年齢を軽々と超えているはずなのです。

それでもね、私が演出をするなら本物の子供達に無言劇をやってもらいますの。
本物のオペラ歌手の方々には舞台後方で歌ってもらう。っていうのは、駄目ですか？　駄目でしょうね（まだしつこく言っている私）。

この「ヘンゼルとグレーテル」という素材は物語的にシンプルですから、いろいろとアレンジが効かせられるように思いますのね。バックの舞台装飾に斬新さを加えてもらいたい、ファンタジー風、ホラー的に、コミカルなデザインに、などいろいろ挑戦してほしいなあと思ったりします。

音楽の崇高さを理解し難いですし、言葉でうまく表現できない私にとりましては……。
音が魂を揺さぶる力があるという摩訶不思議さと畏敬の念をもって聴くことしかできません。

この演目と同じくクリスマス時期に子供向けに催されることの多い、くるみ割り人形のバレエなどと似ている側面があります。ロイヤルオペラでの公演だったかと思いますが、途中からクリスマスツリーが舞台いっぱいに大きくすることで、小さな世界を演出する工夫のあったときのものが、すごく印象に残っています。
毎年の定番ですが、あっといわせるアイデアで新風を吹き込むことができるのですよね。


いやあそれにしても、札幌に来て新しいおもちゃを与えられたようで、「ちえりあ」さん有難う。
あと、「史記を読む（三国志の世界）」っていう講座にも通っています。
このオペラシアターは二ヶ月に一度ありまして、次回はヴェルディ作『椿姫』。
有名な演目ですから何作か観ておりますが、美しいと評判のステファニア・ボンファッデリ版は、どうでしょうか。
楽しみです、もちろん予約済み〜♪