Kodaiji Temple in KyotoRed blueberry leaves

2011年11月21日

煌きの大大阪時代

はい、こんばんは。。          雪華ホーム

高台寺、つわぶき



大阪城の前に建っています↓
大阪歴史博物館


大阪医療センターに定期的な検診のために行くついでに、大阪歴史博物館が近いのでちょくちょく寄ります。
特別展として、『心斎橋きものモダン 煌きの大大阪時代』開催中です。大大阪ですから……私がしょっちゅうやらかしてしまう、誤字やミスタイプではございませんのよ、大・大阪ですわ。

大正14(1925)年、大阪市は人口、面積ともに当時の東京市を上回り日本第一の都市となった時期があり、同年「大大阪」の雑誌も創刊されたそうです。

心斎橋は副題の通り煌きの繁華街として君臨しており、銀ブラに例えたのではないかと言われている心ぶらという言葉も使われていたそうです。現在は庶民的な商店街ですが、当時はハイソな高級ファッションストリートだったわけです。それもそのはず、大丸呉服店、十合(そごう)呉服店、高島屋呉服店という後のデパートになる呉服店が軒を並べ、加えて小大丸などの呉服専門の小売店舗も多数、ひしめいていたそうですから。心斎橋モードがここから日本全国へ発信されていたのがうなづけます

大阪歴史博物館 着物モダン


ところで↑がその特別展でのポスターなどに採用されている『秋立つ』というタイトルの高橋成薇(たかはしせいび)作の絵画です。この写真にある人物の背景は絵の背景とは異なってましてね。詳しくはこちらへ。
絵画の背景には秋や夏から初秋の草花(むくげと、菊科のあざみ?)がたっぷりと描かれています。帯は菊模様に見えますけど、どうでしょう? 問題は着物の柄ですわね。「柳に燕」の模様の振袖でね、この柄は完璧に「春」を表わす典型的な取り合わせの一つです。古くは中国南宋時代の牧谿の絵が有名ですね。美人画と着物の柄はたいへん重要な要素ですし、日本画も着物にも季節は大事な要素です。

なぜ、作者は秋のタイトルに、着物だけわざわざ春のモチーフをあしらったのでしょうか?不思議ですよね。本作品は昭和5年、第十六回大阪美術展覧会に再出品後、着物の裾のところで切断された、とあるように完成作品になんてことするんでしょ?と思うぐらいに、観る側に物議をかもしたわけです。断髪姿の新しい女性像(モダンな女性)を好意的に視たのか、批判的に視たのか興味あるところでございます。

大阪市立近代美術館建設準備室の協力により、大阪画壇で著名な小出楢重や島 成園のほか、大正から昭和初期にかけて活躍した女性画家の作品もいくつか展示されております。私のお気に入りは、北野恒富作の星(夕空)というタイトルのもの。屋根の上の高台の柵にもたれかかって空を見上げている女性が一人。下絵には屋根瓦が描かれていたそうですが、作品には無くなっていて、ほんとに女性が空に浮かび上がっているかのようです。その白地の着物には花火のような大輪の華文様と、紺地の帯に金色に輝く星★が。空には本物の星を描かないのですがね。

常設展示もたいへんよくできていて私は好きなんです。大阪観光の際にはぜひお寄りください

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