『しんまい華道教授・花の甲子園へ』シリーズ第二弾!その1POTENTIAL

2011年10月24日

Takarazuka Revue 『Classico Italiano』

はい、こんにちは。          雪華ホーム

ベランダの真っ赤なカランコエ



土曜日に、宝塚大劇場に行って参りました。
『クラシコ・イタリアーノ』
サイコーでございます。ブラボー!!

今まで、たまたま観劇したものが、一本物ミュージカルだったのですが、
今回のような『クラシコ・イタリアーノ』と、『NICE GUY!!』の二つの演目によるものが、宝塚歌劇の通常のパターンなのだそうです。
最初のが、ミュージカルのお芝居を中心としたもので、二つめがダンスを中心にしたショー・アトラクトと呼ばれるものだったりするんだそうです。

二つ目のダンスもそれはゴージャスで楽しいものなんですが、個人的にはこれらも一つ目のミュージカルのストーリーの一環として最初のお話の中に組み込まれているといいなあって私は思うんです。インド映画のファンタジーシーンのように、ですね。でもこれは、私の好みであって、本物のヅカファンはこのショーだけを目当てに何度も何度も日参される方もおられるようなんです。
それだけ、私の場合は最初のミュージカルがお気に入りでございましたから。もっと、観たいと思ったのでした。

クラシコっていうのは、クラシックのイタリア語でしょうが、伝統とか本物だとかいうような意味でしょう。
舞台は世界大戦の敗戦後のイタリアです。ナポリの紳士服職人達は、ひと針ひと針縫うことで縫い目に遊びが生まれて人の体にフィットした、着る人に本当に合ったスタイルの洋服を作り出すことに誇りを持っている、長い伝統や格式があるわけですね。そこで養われた技術と才覚で、野心的な青年は、富裕層だけではない庶民にも手が届く既製服をミシンで大量に生産することでアメリカ進出を目論むんです。
成功へと傍目にはますますクローズアップされる一方で、伝統と革新の間で葛藤が起きるんです。職人の離反もあります。

伝統と革新の調和は存在するんだろうか、不可能なんだろうか、という問いは深いですね。
「そんなにお金は大事なのかい?」っていう問いかけを職人の一人がするんですが、「必要だから、ナポリからローマに職を探しに来たわけで、自分はともかく、子供にはお金の心配をかけずに育てたい」という別の職人の言葉もまた真実でしょう。

戦後、日本も同様でしょうが、アメリカの物質的な豊かさが貧しい国を圧倒的な輝きで照らしてくるんです。スイッチひとつで、なんでもできる〜♪ の歌はたいへん象徴的でした。そのスイッチは全てお金の力ですものね。修練や努力や勘といったものが何ひとつ必要ではなくって、どの人にもスイッチひとつで同じものができる魅惑の魔法です。これをひとたび手に入れましたならば、誰が元の世界に戻りたいと思うでしょうか。産業の発達や進歩を誰がいやがるでしょうか。

たいへんもてはやされ、尊敬もされて当然のジョッブズさんも、また世界を変えた方のお一人かもしれませんね。

そして、簡便さ、スピード、機械の正確さ、画一さが、私達の生活の隅々に入りこみました。その代償は何だったでしょうか?
夢のある未来社会ばっかりだったでしょうか?
という問いかけに私は歯切れのいい返答が思いつきません。ただ、飲み込まれることがないようなバランス感覚を養う必要性は感じるんです。

芸術の世界もいつも主流と反主流が、伝統と革新が凌ぎを削ってきた歴史です。その二つは相反するようで、しかし二つとも必要不可欠な要素なのではないかと思うのです。

華やかな舞台と楽しい歌にダンス、そしてほろ苦い涙も与えてくれる、
『宝塚歌劇』、すごい。

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