釣りシノブ風にDVD「ウォーリー〜〜〜」観たよ

2009年07月15日

DVD「有りがたうさん」観たよ

はい、こんばんは。     雪華ホーム

有りがたうさん [DVD]
有りがたうさん [DVD]二葉かほる, 堺一三, 上原謙, 忍節子, 清水宏

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ぶっちぎりの名作、また、見落としてました。

『小津安二郎や溝口健二という名立たる名匠をして“天才”と言わしめた清水宏監督の作品が、堂々のDVD化!
川端康成の原作を清水宏監督が独特な演出力で映画化』

と宣伝文句にありますが、確かに、小津さんがお気に入りなのはわかるような雰囲気です。

1936年公開だそうで、戦争のだいぶ前ですし、73年前。とっても見てられないほどのひどい画質でも音声でもなく、もちろん白黒映像ですが、幕開け数分の後には引き込まれてしまう独自の世界です。また、世界と言っても目に見える距離は、ほとんどバスの中だけという狭さ。幸いなことにバスが勝手に移動しますから、バックの景色が移り変わります、がそれだけ。物語の「あらすじ」が気になる方って、どのくらいの割りあいでいらっしゃるものかわかりませんが、あらすじは無いんです。無いに等しいというか、あってもそれがどれほどのもんなのかしらん、っていうものなんです。私小説ですとかね、日本人のお好みの手法が文学の世界としては長い歴史がありますでしょ。要約しても仕方が無いというか、はなから要約ができるのであれば、長文はいらんじゃないのか・・・なんてことはあるはずがないわけでね。その行間に感情の起伏や登場人物の関係性が自ずと語られるわけでしょう。言葉の必要のない演技も数々ありますでしょう。波乱万丈の生涯を描くのではなく、普通の人たちの普通の暮らしを描く、写実に徹するのです。

川端原作は、奈落に突き落とされるようなラストだったと思いますが、こちらは、あくまでも、明るく爽やかにハッピーエンドに終わります。この明るさ、爽やかさが、主人公であるバス運転手役の上原謙さま(加山雄三さんのお父さま)が醸し出していることは確かです、この謙さま、メチャクチャ、かっこいい。私、初めてこんな若い頃のこの方を見ましたんです。イケメンなどという軽い言葉でいいのかしらん?もっと最上級のいい男の表現の仕方がないものかどうか、考えあぐねた末、やっぱり、イケメンとしかいいようのない、自分がはがゆいのでございます。ちょっと見てちょーだい。

南伊豆をこの小さな乗り合いバスがひたすら走るのです。ロードムービなどという安っぽい言い方もそぐわない感じ。まわりの景色が美しいです。この時代の自然を見られるというのは、貴重なんじゃないでしょうか。バスはまだ、高価な乗り物だったんでしょう、街道を歩いている人がたくさんいるわけです。日本も七十数年前はこんな風景があったんだなあって、外国を見るような気分になります。しかも、大きな荷物を背中にくくりつけていたりします。重いでしょうし、長い道のりでしょう。その人々が、人間から見れば巨大な機械のために道を空けるんです。イケメン謙さまは、その方々に向かって、「ありがとう」「ありがとう」って、声をかけながら、進むんですね。道を譲ってくれて、ありがとうの意味でしょう。車が道路を我が物顔でビュンビュンと通り過ぎるんじゃないんです。道は歩く人のものでしたよね。気はいいわ、顔はいいわ、ですから、街道の女性達がほっておくわけがありませんわね(笑)ありがとうさんとあだ名をつけられて親しまれています。アッ正確に書くと有りがた!うさんですけどね。いろんな交流がそこに生まれるんです。

脱線しますけれどもね、エスカレーターの片側空けはやめたらどうでしょう?東京では左に寄って大阪では、右とか・・・?。弱い人を守るのに反論する人はいないでしょう、でもあれって、誰のために空けてるのかしらん。タッタッターとエスカレーターを走って駆け上がれる元気な人のためならば、もっと、広くて心地のいい階段!がありますでしょう。荷物がひっかかって止まっている人に危険ですもん。実際に、一度転倒するのを目撃しましたし。二倍分、渋滞しますしね。一人乗り用のエスカレーターは、その点いいわね。誰が考えたマナーかわかりませんけど、やさしさとは言えないと思うのです。

ぼやく、ぼやく〜。

映画の話に戻りますが、当時としては異例らしい、オールロケでね。わかりませんけど、舞台などで、養われた感覚なんでしょうか?時間が経過したことを示す、顔ぶれの変更や、座る位置の変更。狭い車中を縦横無尽に使いこなす手腕は演出の幅広さを示しています。おっとりした会話も素敵。撮影と録音が別々だから、こうなったのだというようなコメントもありましたから、それが事実なのかもしれません。ですが、このテンポは故意に導いたものだと考えたいところです。この上品な語り口はしばらく後の日本映画まで続きますから。

いろんな人が共存して、貧しい暮らしぶりや、偏見差別の社会を直視するのは、なにも難しい本や遠い世界に行かずとも、身の回りを注意深く見ていればわかるはずなんじゃないのかと、どんな境遇にあっても自分や身内のことだけでなく、他者を思いやれることはできるはずだと、そっと、あくまでもそっと教えてくれるような、そんな映画でした。ブラボーーー。

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