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2009年02月10日

オリジナリティとは?

はい、こんばんは。     雪華ホーム

血の収穫 (創元推理文庫 130-1)
血の収穫 (創元推理文庫 130-1)田中 西二郎

おすすめ平均
starsハードボイルド小説にも「古典があるんだ!」
starsA bloody action novel
stars超然とした主人公
stars不思議な昂揚感。
stars言わずとしれた…

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オマージュとかフィチャーとかインスパイアとかアレンジとか、パクリとかマネとかパロディとか、いっろいろあってですね、難しいです。偉大な前時代の作品を引用しつつ、それでもオリジナリティにまで昇華させられるとしたら、やっぱりすごいですね。・・・

ハードボイルドって、どこがいいのか、よーわからんとですよ。「男の美学」が、なんか見栄っぱりに見えたりして・・・男のロマンを解しないのですわね、女は現実路線の一本道にございますー。

古本屋さんで、安かったのでこの本を購入しました。桑畑三十郎がここから生まれたらしいですからね、ちょっと読んでおこうかなと。黒澤映画「用心棒」の着想はこのダシール・ハメットの「血の収穫」(1929年)にあるのだそうでございます。本の方は、2極の抗争ではなくって、も少し複雑ですわね。主人公の探偵は、クールですねー、ひょうひょうとした傍観者のようでいて、しっかり頭脳犯ですね、一番悪い奴かも・・・。これだと、私としてはあんまり、このキャラ好きだわ〜っていうふうにはならないんです。でも、読解力が乏しいせいもありますでしょうが、淡々とした文章なので、人が次々死んでいても、あんまり現実味がなくってよろしいかも(笑)。

「用心棒」(1962)をパクッたとして訴えられたマカロニウェスタン「荒野の用心棒」(1967)のセルジオ・レオーネ監督から、そっちだって、「血の収穫」からのパクリだい!と言われたとか、本当だかどうか?。「用心棒」のクレジットには、触れてないようではあります。

文字と映像では表現方法が全く違いますわね。ミステリーでも、文章ではトリックを隠すことができるけれども、映像にしてしまうと、まるバレになってしまうものって、けっこうあります。逆もありますでしょう。

着想はいろいろ得ているんでしょうが、上手ですよね。本の主人公である探偵は、たくさんの名刺をもっていて、その場に応じて使いわけるんですね。「失礼ですが、お名前は?」って聞かれると、あからさまに「名前は言っても、意味ないです」っていう、とりつくしまが無いかんじ。三十郎さんは、その点、かわいいから。映像的にとっても美しいですしね。「お名前は?」って問われると、画面はすっと、三十郎の視界の風景が写りますでしょ。一面の桑畑・・・「桑畑三十郎です」。その家の庭に椿がいっぱい咲いていましたら、「椿三十郎です」ですもん。単純さとキャッチーなアイデアが抜群です。

黒澤監督自身が影響を語ってる、ジョン・フォード監督の作品ね、いくつか、ここんところ観ているんです。「駅馬車」(1939)「アパッチ砦」(1948)「荒野の決闘・いとしのクレメンタイン」(1946)「黄色いリボン」(1949)。「三悪人」(1926)これは、サイレント!サイレント映画よ。ここで、淀川さんが解説してますけどね、当時は「西部劇」とは呼んでなくって、「西部人情劇」って呼んでいたそうです。この頃のウェスタンは、暴力的なアクション映画ではないんです。ロマンティックなシーンがたくさんあることに驚きました。好きだわ〜ハッピーエンドとかきれいな女優さん。黒澤さんが、唯一、影響を受けてない部分じゃないのかしらん?ってね。

「スターウォーズ」が「隠し砦の三悪人」を元にしたとしたら、それは、ジョン・フォード作品のたくさんの影響と「三悪人」の人物設定から生まれたんじゃないかと思いますしね。西部劇をいっぱい観て、いっぱい学んで、引き出しを作ったんでしょう。特に、欧米で受け入れられやすかったのは当然かもしれません。ですから、黒澤監督の影響で、その後のリメーク作品に焼きなおすのは先祖帰り的に、たやすいことだったんでしょう。

「七人の侍」のあの、設定ですけどね、農民が浪人とはいえ、侍を雇うという発想は日本の歴史上あったでしょうか?とっても、西部劇的発想でしょ。ヒントはヒントとして、そこから創り上げるものが独創的であるかどうかでしょう、重要なのは。きっとね。

どんな創作においても、オリジナリティを求めることに変わりないと思います。ただ人間ですから、自分の意見・自分の考えと思っていても他人の影響下にあるわけです。法律上の問題もそうですけれども、創作精神の問題としても、まんま、パクッたなと言われない程度には成熟させる必要はありますわね。はい、肝に銘じます。ただ、学ぶ課程では、いいものをひたすら写し取る地道な作業がやっぱり必要ですわね。

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