社中展用パンフ・ポスターに印字中〜!かぼちゃ煮るのは冬至だよな

2008年10月17日

DVD「細雪」、大阪PRの切り札

はい、こんばんは。     雪華ホーム

細雪
細雪市川崑

おすすめ平均
stars着物っていいですね
starsまるで芳醇なワインの如き−
stars時代、元・財閥家の終焉を淡々と静かに迎える時、、、。
stars心に残る作品
stars最高の日本映画

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大阪から千葉に引っ越してから、大阪バッシングを受ける度に、「まあ、そうね、大阪の法律は、こことは違うのよね」などと嘯いて、余計に火に油を注いできた、私も悪い。悪い、がしかし、相手を見て、心ある方だろうと思う方には、「細雪」をオススメしました(なんや、それ)。・・・


文豪谷崎潤一郎の代表作ですし、これは、上方文化の最高峰でしょう!というより、日本文学の名作ですね。好き嫌いは別として、みんな読んでますでしょう。

原作が大好きなんです。大阪船場の名家である蒔岡家四姉妹の、ほーんとに淡々とした、これと言ったストーリーがなーんもない、しいてあげれば、三女雪子の見合い話の連続?みたいなね。

当時の文化や風俗も興味深深。薬の話がよく出てくるんです。「Bが足らん」とか言いながら、ビタミンB剤を普通に腕に注射してます。なんか、聞いたことあるわーとか、思い出したりしながらね、楽しめます。

1910年代、亡くなった父親が事業に失敗して家運は傾きかかってます。ひたひたと、戦争の影が迫ってくる時代背景です。どろどろした人間関係もやっぱり存在してますし、人の生き死にも、随所にかかわってきます、当然ですよね。神戸での大水害やら東京を襲う台風などの天災もストーリーに関わってきます。からね、波乱万丈なんですよ、ほんとはね。ところが、この四姉妹のスタンスは、なんと形容してよいもんか、大地のごとく微動だにしない、揺るぎのない、優雅さ!。圧倒的な文化力!。それが、コミカルなんでございます〜。飄々とした、姉妹の会話がね、笑い転げること必至でしょう。子供のときに、これを読んで文学ってこんなに、面白くっていいの?って思ったもんです。深い内容は、わかってはいません、そのときはね。何回か、時代を経て読みましたから、後ほどには、少しは理解できたところもあります。

四人の姉妹の性格づけが、見事ですよね。本家の長女、鶴子。分家の次女、幸子。それと独身の三女、雪子と、四女、妙子。長女は、きっとこんなんでしょう、って思わせるような、しっかり者ですし、次女はちょっと楽天的ですが、二人の妹の世話をしている人の良い性格。三女が、くせもの!ですわねー。絶世の美女なんです。30歳を過ぎていて、縁談話はいっぱいあるんだけど、さっぱり決まらないという設定です。この方の見合い話に、付き合わされて、この長編ストーリーを一気に読まされることになるんです。最後の最後まで、この雪子さんは、本心をなにひとつ語らないんですよね。ここまで、いくと強情ですわよ。ね(笑)。何を考えているのか、さっぱりわからない、怪しい美女が、吉永小百合さん、ピッタリ!(やっと、映画の話です)。末っ子のこいさんである妙子は、自立する新しい時代を象徴する女性像で、ちょっと変わってます。描き方も、悲観的に見えます。でも、お姉さんの三女が結婚するまでは、自分は、待ってなくっちゃあいけないというような、古いシキタリには応じているようです。古手川祐子さん、ちょっと吉永さん似で、キャスティングは、申し分ないでしょ。

映像美は、市川崑さん定評があります。コンって字、変換されないからいややわ。この映画、サイコーです。ブラボーの3乗ぐらい。
なんですが、一箇所だけ気に入らないところがあるんです。原作があまりにも好きだからなんでしょうが。次女の夫、貞之助(こんな名前?)を石坂浩二さんが演じてます。原作ではね、私の読解力ではということですけど・・・重要な場面に必ず登場して、冷静に処理する、たいへん頼もしい人格者なんです。天女のような、姉妹がバラバラになって空中に浮遊するところを、しっかりと地べたに引き戻してくれるのは、この方があってこそだなあって思う、ものすごい、現実的な気イ使いのお方です。婿養子という立場ですし。そこを、なんでこんな脚色にしてしまったのかなあ???って、不思議で仕方がないんですけど、エロティックな描写を誇張して付け加えてしまった感じがあります。あの、二つのシーンだけが(ご覧になるとすぐ、わかるわよ)、私にはどうしても理解不能でね。これは、もう一回、リメークしてほしい気もするぐらい。

きっと、市川作品と相性が悪いのかも。「竹取物語」も、なんとかならんかなあ?脚本が・・・。「未知との遭遇」や「ET]人気からああゆう、SFものになったのではないかと想像しますけど、それは、いいんです。最初に、なぜそれ(どれ?)を先に見せてしまうんだろ?とか、なんで、急にかぐや姫を成長させる必要があったんだろ?だって、それだと、育ての親が長い間、愛情を込めて育てたという後の話とつながらんし〜とかね。沢口靖子さんは、とーーーっても美しい。撮り方も美しい。それにひきかえ、脚本は問題無いのかしらん?って、思うのは私だけ?。

原作があまりにも素晴らしいですから、解釈の仕方がいろいろできるんでしょう。

平安神宮への花見の場面や岐阜の旧家へ招かれた際の蛍狩りの場面など、日本映画史に残る美しさであることは、もちろんですね。なんと言っても、女優陣の美しさとそれを引き立てる着物の美しさも欠かすことはできません。

ええところのおうちの話ではありますが、関西弁の美しさも堪能できるはずです。そうあって、ほしいものと切に願うのであります。

まあ、一番は4人姉妹の言い争いが面白いんです。けんかしながら、兄弟姉妹って、またころっと、仲直りしてたりするんですよね。どんなに環境や世界が変わっても、最強!の姉妹たちなんですこの方々は、美しいだけではないんです。美しいだけでもスゴイことなんですけれども。・・・笑える

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この記事へのコメント

1. Posted by ひとみ   2008年10月19日 17:06
雪華さ〜ん、こんばんは。時差ぼけで夜中に目が覚めて来ました。

これ、観ていないです。原作も読んでません。確か、旦那は読みました。こんどDVD借りてみますね。

私がコウジと言う名前の人が好きなんだ、と母に言ったら石坂浩二さんの名前があがりました。(あら、玉置さんと同じ字だ!)

「竹取物語」随分前に観ました。監督の名前なんか知らない頃です。あれは、、、よかったのかな〜?まあまあだったような。市川さんは、やっぱり「炎上」ですよ〜!(と私は叫ぶ)
2. Posted by 雪華   2008年10月20日 17:22
ひとみさま、こんにちは。
時差ボケ、たいへんですね。早く治りますように。

石坂浩二さんって、イメージが変わらないまんまですごいですね若いし。

「金閣寺」ですよね。三島文学は超難解だし、人間の暗い精神面、オンパレードでしょ。俗物の私にはキショク悪い世界としか思えない(笑・許して〜)・・・ひろみさんの趣味だと思いましたよ、芸術家肌の方には理解できるんでしょう。ですから、映画「炎上」は、脚本は破綻してても、元々原作がそういう狂気めいているので、映像だけに特化できていいのかも。陽炎みたいな、火事のシーンとか、忘れられないです。
私の好き嫌いで言えば嫌いだけど(一般大衆的ではないでしょ?)、一回見たら忘れられないぐらいに傑出してはいるのかなあ。

金田一さんのも、原作の方が好き。あとは、見てないです。

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