無事に礼式生けを終えました、ご高覧ありがとうございました。あー気持ちいいお天気

2008年05月14日

杜若と薫風

はい、こんばんは。     雪華ホーム

一年経つのが早いなあって思う今日この頃でございます。
去年の今頃は、かきつばたをメインのテーマにして、初の社中展を<無謀>にも開こうと奮闘中でした。また今年も、かきつばたの季節が巡ってきました。


     かきつばた 一面の青波 雲渡る

・・・




かきつばたや、菖蒲は剣のような細長い葉が特徴です。花はもちろん美しいのですが、特に葉の美しさを愛でるような生け方が多いです。
いけばなでは、満開の美よりもこれから咲き開く未来を暗示するような、つぼみを多様します。あるいは、お稽古では長く楽しめるように、つぼみの状態のものを用意するのが普通のことですしね。

でも、今日生けたかきつばたのつぼみは、違った意味があります。春のかきつばたは、花数も少なくつぼみがちに丈も低く、若葉をすぐやかにと生けますし、夏のかきつばたは、花数が多く咲き誇る開花を、葉はやや曲がりをつけて、秋には、さらに花首が長くなり、葉は妖艶な曲を描き黄葉が少し混じり始めますし、冬には、花が無くなり、茶色くなった葉を生けます、枯れてる!と言ってもいいでしょう(笑)。珍しく、かきつばたひとつの花材で四季を分けた生け方をするのが習いです。

かきつばたのいけばなは、花の形をどうすれば人の目に美しく見えるかという問題も無いではありませんが、主眼は、季節を描き分けようとする試みのように思えます。結果的には、季節をうまく再現できれば、それが一番美しい姿だろうということでしょうが。

花数であったり、どのような葉を使うか、どのようにその葉をさばくか、花茎の高さをどうするか、で季節を表しているのです。それは、自然のかきつばたの風情を観察しつつできあがったものでしょう。そして、人々のくらしに季節観がとても重要だったからでしょう。

たいていのものは移ろいやすく変化していくのが世の常なのですが、季節は何事も無かったかのように、一年経つとまた同じ季節が巡って来てくれるのです。自然と季節に対する畏怖と尊敬の念をいけばなを通して表しているのだと思うのです。

その思いがあまりにも深いがために、かきつばた(あと、水仙もね)の生花(しょうか)スタイルでは葉組みの規則、生け方の規則、こと細かくあります・・・ね。長年にわたる人々のかきつばたと季節に込める情熱に脱帽しつつ、教えを請いたいと思うのです。

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この記事へのコメント

1. Posted by mechi   2008年05月15日 00:10
カキツバタって 一年間通して
季節ごとに長く生けれる花材ですね〜

ほかを思い出せませんが。。。
四季の生け方があるのはカキツバタだけでした?ね?(忘れ状態です^^;

小原流では
(早春・春・初夏・夏・秋・晩秋)と分かれているんですが
そう思うと カキツバタって魅力あるお花ですね

カキツバタの生け花 もっと大事にしないとダメなんですね〜^^;
2. Posted by 雪華   2008年05月15日 20:36
mechiさま、こんばんは。

カキツバタって、冬は生け方としてはあるんですが、現実的には存在するんでしょうか?見たことないですけど・・・あるのかな。観念的なものかなあと思います。

小原流さんでも、冬のはさすがに無いんですもんね。どこも葉組やら、格闘するんでしょ(笑)。

今日は、もう、春というより初夏のようでした。

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