「椿三十郎」オリジナルが強烈すぎて寒中見舞いは、春の花で。

2008年01月21日

「奥」の概念にみる日本文化

d3397faf.JPGはい、こんばんは。     雪華ホーム

昨日、お伊勢さんに初詣出に行きました。
まだまだ、たくさんの人で賑わっていましたよ。
昨日、今日と今にも雪が降り出しそうな、どんよりとした
雲におおわれていました。




・・・




大学入試センター試験の問題と解答が新聞に載っていますでしょ。どれもちんぷんかんぷんですけど、「国語」だけ読んでます。この前でしたか日本庭園についての論文でしたけど、今年は、「奥」についてです、寺社への参道について例があげられています。ちょうど、伊勢神宮に参ってきたところですし、そうだ、そうだってうなづくところがありました。

”近代の空間が失ってきたのは、実は深さの次元である。近代建築がめざしてきたのは明るい空間の実現であった。・・・人工照明の発達がそれに拍車をかける。明るい空間が実現するにつれ、視覚を中心にした身体感覚の制度化がすすんだ。視覚はものと空間を対象化する。空間は測定可能な量に還元され、空間を支配するのは距離であり、ひろがりであると考えられるようになった。・・・空間のあらゆる場所は人工的に均質化されることになった。”
”深さは、空間的には水平方向における深さをあらわしている。幅に対する奥行きである。しかし、均質化された近代の空間にはこの奥行きが存在しない。なぜなら、均質空間はどの場所でも無性格で取り替え可能だから、奥行きは横から見られた幅であり、奥行きと幅は相対化された距離・・・そこにあるのは空間のひろがりだけであり、深さがない。”

”ミンコフスキーが深さについて語っているのは、もっぱら空間的な意味においてである。一般に西洋では、深さは水平方向における深さであり、純粋に空間的な意味しかもっていないようである。それに対して、わが国では深さは水平方向における深さであると同時に、時間的な長さをも意味する。・・・それを端的にあらわしたことばが「奥」である。”

やっと、奥が出てきた

”要するに、奥は空間的にも時間的にも到達しがたい最終的な場所、時間を指している。それだけではない。奥義、奥伝ということばがあるように、奥には空間的、時間的な意味のほかに、深遠ではかりがたいという心理的な意味もある。奥は空間的、時間的、心理的なさまざまな意味を含みながらひろく日本の文化を支えている。”

”奥を具体的に体験できる場所に日本の古い神社がある。神社の境内は鎮守の森とよばれる深い森につつまれ、その森を分け入るように長い参道が続いている。参道は社殿に向かってまっすぐにのびているのではない。右に左に折れ曲がり、つま先あがりの坂道になったり険しい石段になったり、実に変化に富んでいる。参道の両脇には鳥居や献灯がいくつもならび、うっそうとした木立や苔むした庭石などとともに巧みに配されている。そして手水舎、回廊、拝殿、玉垣、正殿へ続くが、神社の中心である正殿には仏教寺院のように偶像が安置されているわけではない。せいぜい神の依代としての鏡があるくらいだ。”

”槇氏は奥の特性を次のように説明する。奥性は最後に到達した極点として、そのものにクライマックスはない場合が多い。そこへたどりつくプロセスにドラマと儀式性を求める。つまり高さではなく水平的な深さの演出だからである。多くの寺社に至る道が曲折し、僅かな高低差とか、樹木の存在が、見え隠れの論理に従って利用される。それは時間という次数を含めた空間体験の構築である。”

ふうー。
いけばなにも、「奥」が「奥行き」がって、よく言われます。空間的=球体を描くように厚みがあるように生ける。時間的=生花(しょうか)などでは特に、現在過去未来の植物の姿を一瓶の中に生けるという(蓮など)ように、瞬間の姿ではあるんですけど、同時に長い時間を表していたりもします。心理的=道としての意味で。


sekkadesu at 21:18│Comments(10)TrackBack(0) ★★本・コミック・芸術鑑賞・音楽・ラジオ/TV等の感想 

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この記事へのコメント

1. Posted by カリスマ庭師   2008年01月21日 22:44
こんにちは^^
奥深い記事・・ありがとうございます〜
確かに寺社の境内っていうのは庭としての観点で見るととっても完成された奥深いものであります・・・
作庭方法も違って、お寺はどちらかというと人工的、神社は自然主義って感じですよね。。。
でもどちらも、その場にいることで(祈願などをするところでっていうメンタルな作用もありますが)考えさせられる空間を醸し出しているのがすごいんですよね・・・私たちが作る庭にもそんなことができたらいいのですけど、まだまだです〜><
時間と空間・・・・難しいですよね。。^^
2. Posted by きゃさりん♪   2008年01月22日 00:14
遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。
最近、すっかり時間に追われてしまい記事アップもままならず、皆様にもご無沙汰してしまう・・・という無礼極まりない日々を送っています。
今年は時間のマネージメントをきちんとするのも目標にしたいな。

「空間」の大切さってお稽古の時もよく言われます。空間をうまく表現できた時って作品も全然違うものになります。

いろいろ教えていただけると今年も記事を楽しみにしています。まだまだ未熟者ですが今後ともよろしくお願いいたします<m(__)m>
3. Posted by millefleurs   2008年01月22日 08:57
雪華さま、こちらにもおっはよーございます。
とても良い文章を読ませていただきました。
するすると心に入ってくる内容でした。おけいこを通してぼんやりと
感じていた何か、そんなものがここで文章として表現されているやに
思えて、とてもありがたかったです
雪華さまのところでは、今の自分にどんな勉強が必要か教えていただけるときがあります。
花をいける、だけではなく、花をいけることで開かれる扉、その先にあるものを知りいたなって思います。
4. Posted by 雪華   2008年01月22日 20:20
カリスマ庭師さま、こんばんは。

あーあー、確かに。お寺は人工的に作りこんだイメージ。神社は自然により、近いんですね。

フランスのお城なんかの庭だと、バーンと左右対称でっていうのが多そうですけど、郊外のイングリッシュガーデンとか、視線を上や下へともっていきながら、どんどん分け入っていくような作りのものとかありますでしょ?あれは、なんか神社とかとは全く違うけど、意外性っていうか迷路みたいな楽しみがありそうで好きです。

いろんな、タイプの庭があって、カリスマ庭師さまのお得意の庭も、またあるんでしょう。
5. Posted by 雪華   2008年01月22日 20:26
きゃさりんさま、こんばんは。

こちらこそ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いします。

忙しそーですねー。いろんなことに挑戦されていて、見ているこちらとしても楽しみです。やれるときにやれることをどんどんやってください。管理より、勢いが大事なときもありますし、ね(体を壊さない程度で)。

2月は東京で、定例の研究会と特別研究会と引立者対象の自由花講習会と3日も御茶ノ水にいりびたりですよ。
6. Posted by 雪華   2008年01月22日 20:34
millefleursさま、こんばんは。

きゃーきゃーどーしましょ。
うちで何を学ばれたのか、こちらがうかがいたいと思うのですが・・・教えて〜。
身に余る光栄でございます。ありがとう。

奥がうすっぺたい人間ですので、すぐにマンネリになるのです。あと、なんでもいけばなに結び付けて考える癖がありますわね。

わずかなことから多くを学べるmillefleursさまが、すごい!のよ。
7. Posted by たま   2008年01月23日 15:03
雪華さん、こんにちは!鬱っぽい症状からなかなか
抜け出せない心の弱いたまです。
(ご無沙汰しております)

突然なんですが、28日(月)にセンターで知り合った方で(現在7人ほど)会えることになりました。

もしご迷惑でなかったら雪華さんにもお目にかかれたらなぁ〜、と思ってメール(?)しちゃいました。

私がいけるのは12時半ごろなんですが、一応アトリウムに集合って感じです。
突然でご迷惑ですよね・・・。
ごめんなさい。
8. Posted by ひとみ   2008年01月23日 16:31
雪華さん、こんばんは〜!
興味深い記事、ありがとうございます。
西洋と日本の空間観念、面白いですね。
建築のことはよくわからないけど、庭は言えてますね。

ふと思ったことは、中国系ベトナム人の知人にきいたことがあるんですが、中国語の文法では時制がないので、文の前後、内容で、現在、過去、未来かを判断するようです。日本語よりも英語の方が完了形ってのがあって細かいので空間と時間を考える上でも複雑なような気がしなくもないですが、、、日本人って曖昧なところが奥深いのかも。。。。奥深いが曖昧で、日本人って複雑!中国人って単純?!
9. Posted by 雪華   2008年01月23日 21:27
タマさま、こんばんは。

こちらこそ、ごぶさたしております。
お誘いありがとうございます。まあ、そんなにいっぱい、集合!。
私も1時ごろに、うかがいましょう。転勤したら、機会がなくなってしまいますもの。
センターですよね、その「アトリウム?」っていうのはどこのことですか?
よろしくお願いします。
10. Posted by 雪華   2008年01月23日 21:37
ひとみさま、こんばんは。

私もよくわかりませんが、
説得されると、とりあえず「なるほど!」って思うんです(笑)。

言葉の成り立ちって、きっと考え方を反映させてるんでしょうね?日本語って、漢字っていうところは中国の影響ですけど、本国の語順S+Vっていう論理は、中国語って、西洋的でしょ。イス式の生活ですしね、文明の発生地って、ほぼ同時多発的に生まれてるし、共通項があるような。
日本が、ひょっとして変わってるんじゃない?・・・ほんとに奥深いのか、曖昧模糊としてるっていうのか。不思議ですよね。

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