ハワイカイの写真、送ってくれました。今年のポインセチア。

2006年12月13日

NIPPONのお正月。

9dee30d6.jpgはい、こんばんは

今日の花材

万年青(オモト)の葉、10枚
        と実、1本。


注連飾り 見よう見真似で 祈る幸

万年青のあっぷ↓。

・・・



いけばなに接したことのない、若い世代の方々に、今日のいけばなをお見せしたら、「どこに花あるんだろ?」って、思われるんじゃあないかなあって、心配なんです。すごーく心配・・・。

お正月と言えば、万年青(オモト)なんです。昔は、そうでした。どの時代あたりからか、文化の伝承は、断絶してしまったのか・・・日本の典型的なお正月は、変わろうとしているのです。日本人に生まれて、日本のことがわからなくなるのは、残念なことです。自らの日本のことがわからなくって、他の国のことがわかるのか???。そして、どっちも、わかっていない、私ですが(笑)、いけばなを通して、いくらか知ることができるのです。それは、ラッキー。

万年青は、ユリ科で、山地の樹下に自生するらしく、古くから人家の庭によく植えられ、園芸品種も非常に多く、業者間では相当高値の品種もあるそうです。

中国では、熨斗のかわりに用いられていたとか、また、年中青々としていて、その赤い実が相続を意味し、子孫繁栄の象徴としてお正月や祝儀の席によく用いられてきたとのことです。

池坊では、伝花の花として、特別の生け方が伝わっています。通常の生花(しょうか)と違って、一株を一瓶に見立てた形を表しています。

面白いのは、新葉は、毎年出て3年くらいで枯れるそうです。実は、昨年の葉と今年の葉の間に結実します。その性状の通り、中心から後方の4枚の葉に新葉を用い、そこにひとつの和合を形づくり、その前に、実を生けます。さらに、6枚の昨年の葉がその実を取り囲むというように生けるんですね(10枚生けの場合)。

以前に、紹介しました『華物語』という、コミックの中に説明があったのが、とてもわかりやすかったので、引用します。向かい合った新葉(後方4枚)を若夫婦として、それをがっちりと、固める老夫婦(前方6枚)が、実を守ってる状態だそうです。家族をあらわしているのだそうです。

江戸時代後期に生花(しょうか)が成立していますので、封建社会の家族の形を表しているかもしれないのですが、そのことは、さておき、現代感覚としては、核家族の両親だけの負担ではなくって、みんなで次世代の子供を見守っていければ理想的なことです。年の初めに、あるいは祝儀の席に、家族がそろって思いをひとつにする機会をもてることは、最高の時間となるはずです。「おめでとう」「昨年中の感謝」「今年もよろしくというお願い」素敵な言葉ばかりですよね。それが、たぶんお正月の役割だったのだと、思います。最高の時間は、未来永劫に引き継がれることでしょう・・・継がれてない・・・(笑)。っていうか、気持ちはたぶん、継がれているんでしょうが、習慣は、少し変わってしまったかもしれませんよね。

長く続いてきた、習慣も忘れてしまっただけで、いいものもある、残したいものもあると、思う今日この頃です。

今回の万年青は、ミヤコノジョウという種類のもので、白いふちどりがあります。本来は、ダイソウカンという種類の、もっと青々とした、大ぶりのものが祝儀の席には良いとされています。ミヤコノジョウの方が価格も安いですし、手に入りやすいのです。斑入りのものが、最近の流行で、色が明るくなってよいのですが、古くは、斑など白いものが混じるのは、ある種の病気であったり、突然変異だったりしたものですから、用いなかったようです。

少し、カジュアルダウンしたというような、気楽な感じと、伝統のいけばなの味わいを両方、楽しみたいと思いました。


トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by カリスマ庭師   2006年12月14日 18:55
こんにちは^^
オモト・・・和風庭園でも良く使う本当に「和」の材料ですね。。。
以前お聞きした話では、娘が嫁ぐときに親がオモトを一株持たせるそうです。 これも子孫繁栄とか家内安全の気持ちの表れなんでしょうね^^
2. Posted by ローズマリー   2006年12月14日 19:30
 雪華様こんばんは〜。
先日はビッグなありがとうございました。でも、この絵さそり?

 万年青懐かしいです〜。いけばなを習っていたころはお正月には、万年青をいけていました〜。こういうの見ると本当にいけばなって良いなぁって改めて思います♪
3. Posted by 雪華   2006年12月14日 22:15
カリスマ庭師さま、こんばんは。

へー、知らなかったです。
そうかあ。それで、うちには子供がいないのかもなあ・・・。
万年青は、生命力たくましい植物ですよね。切花でもね、1、2ヶ月は大丈夫ですから。
4. Posted by 雪華   2006年12月14日 22:17
ローズマリーさま、こんばんは。

いえ、いえどういたしまして。さそりは、コワイ(笑)。
どこの流派でも、やっぱり、万年青はやりますでしょう。
いけ方は違いますか?
5. Posted by きゃさりん♪   2006年12月16日 21:51
万年青って読めないひとも結構いるかも。

花屋さんで配達のアルバイトしていると、立派なお家には大抵万年青の鉢がありまして、=上流家庭というイメージがあるんです。
6. Posted by 雪華   2006年12月18日 20:20
きゃさりんさま、こんばんは。

なるほど〜。
鉢、買ってこなきゃっ、でございます。万年青だけあってもねえ。
上流家庭憧れます。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
ハワイカイの写真、送ってくれました。今年のポインセチア。