私は黒い皮ので、お札を半分に折りたためる状態の財布を使っています。小銭入れもくっついている、オールインワンです。中身が少ないのでお財布くんは、肩身の狭い思いをしているでしょうか？

などと、財布に感情移入してしまうのは、この小説のせい（？）です。宮部みゆき著「長い長い殺人」、売れっ子作家なので、好きな方が多いかもしれません。これは、ミステリーですよね。本格推理ものっていうのではないので、トリックがすごいとかゆうのじゃあない。それぞれの登場人物のお財布が物語る断片の事実がだんだん、つなぎあわさっていくという趣向のものです。我輩は猫・・・だったら、まだ生き物ですけど、財布は物ですから、発想が面白いなあと思いました。ちゃんと、主が財布を忘れていったときに、見ることができるような場面とかもあってね、ストーリー展開がうまいのか、なーんか、引きずりこまれますよ。

秋の夜長にどうぞ。

「自分は大勢いる人間のなかの一人であって、決して傑出しているわけではないけれど、そこに”意味も価値も楽しみも”あるのだ、・・・」って自覚することは、難しいなあ。